【ぼざろ!】アジカンのオマージュ&パロディを全部書く【決定版】

TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」に登場したASIAN KUNG-FU GENERATIONのオマージュやパロディを可能な限り全て解説!
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「結束バンド」メンバーの名字がアジカンと同じ

結束バンドの各メンバーの名字は、ASIAN KUNG-FU GENERATION(通称 アジカン)の各メンバーから取られている

  • 後藤 ひとり→後藤 正文(ギターボーカル)
  • 喜多 郁代→喜多 建介(主に リードギター、時々ボーカル)
  • 山田 リョウ→山田 貴洋(ベース)
  • 伊地知 虹夏→伊地知 潔(ドラム)
    ※結束バンドのメンバー名→アジカンのメンバー名

アジカンファンからすると、ベースが山田でドラムが伊地知な時点で色々と察するのである。また、後藤ひとりは「ぼっちちゃん」と呼ばれているが、後藤 正文は「ゴッチ」と呼ばれており、あだ名もニアピンである。4話の6:01~あたりで、ぼっちちゃんが練習しているサインの中に、しれっと「ごっち」が紛れているのも見逃せない。

また実は誕生日もアジカンのメンバーのものを反転させたものが採用されている。

  • 後藤 ひとり 2月21日→後藤 正文 12月2日
  • 喜多 郁代 4月21日→喜多 建介 1月24日
  • 山田 リョウ9月18日→山田 貴洋 8月19日
  • 伊地知 虹夏 5月29日→伊地知 潔 9月25日
    ※結束バンドのメンバー誕生日→アジカンのメンバー誕生日

ギターやベースの形もアジカンと同じ

別の記事で詳しく解説しているが、ギターやベースの形もアジカンと同じだ。こういったギターをレスポールタイプというのがだが、近年目にするバンドで、ギターボーカルとリードギターが両方レスポールを使っているバンドというのは極めてまれである。ぱっと思いつくのはアジカンと結束バンドだけだ。

各話のタイトルがアジカンの曲名からオマージュされている

それぞれに付けられたタイトルがアジカンの曲名から取られているので、下記にまとめた。

  • 第1話「転がるぼっち」→「転がる岩、君に朝が降る」(2008)
  • 第2話「また明日」→「それでは、また明日」(2012)
  • 第3話「馳せサンズ」→「長谷サンズ」(2008)
  • 第4話「ジャンピングガール(ズ)」→「ダンシングガール」(2018)
  • 第5話「飛べない魚」→「飛べない魚」(2006)
  • 第6話「八景」→「八景」(2016)
  • 第7話「君の家まで」→「君の街まで」(2004)
  • 第8話「ぼっち・ざ・ろっく」→なし
  • 第9話「江ノ島エスカー」→「江ノ島エスカー」(2008)
  • 第10話「アフターダーク」→「アフターダーク」(2008)
  • 第11話「十二進法の夕景」→「十二進法の夕景」(2014)
  • 第12話「君に朝が降る」→「転がる岩、君に朝が降る」(2008)
    ※タイトル名→曲名(リリース年)の順に記載

まず1話の「転がるぼっち」が最終話「君に朝が降る」でアジカンの楽曲名に回収されているのが見過ごせない。また有名曲からマニアックな曲まで幅広く盛り込まれており、アジアンカンフージェネレーションへの愛を感じずにはいられない。

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特に「八景」はシングル「ブラッドサーキュレーター」のB面というかなりマニアックな曲である。普段はリードギターをしている喜多建介がメインボーカルを務める珍しい曲で、彼の透明感のある歌声が最大限に活かされている。

ぼっちちゃんの実家としてアジカンの聖地・金沢八景駅が登場

第6話「八景」では、ぼっちちゃんの地元・横浜の金沢八景が描かれる。実はアジアンカンフージェネレーションは金沢八景駅の近くにある関東学院大学で結成されたバンドである。まさにアニメによる聖地巡礼ともいえる回で、この回をみた後藤正文が、「見覚えのある景色」がたくさん描かれていたと語るほどだ。その聖地から、ぼっちちゃんは変わり始めるのだ。

STARRYのモデルは、アジカンが初めてワンマンをしたライブハウス

STARRYでのライブシーン

結束バンドが活動するSTARRYは、下北沢 SHELTERという実在のライブハウスが元ネタになっている。実はこのライブハウス、活動当初のアジカンが、都内で唯一オーディションを通過したライブハウスなのである。アジカンも当時は結束バンドと同じようにオーディションを受けていたわけだ。横浜の金沢八景で組んだバンドが、都内に進出するハードルは高かったのだろう。

アジカンはその後、結成発ワンマンライブをSHELTERで行った。またはじめての武道館ワンマンでは、リスペクトを示すため、ステージの床を下北沢SHELTERと同じ白と黒の市松模様にした(この白黒の床は、STARRYでも再現されている)。アジカンにとってかなり重要なライブハウスなのである。

江ノ島もアジカンと縁が深い

第9話「江ノ島エスカー」では江ノ島に向かう結束バンド。実はアジカンは江ノ島電鉄の各駅名をタイトルに関したアルバム『サーフ ブンガク カマクラ』を発表している。2008年のアルバムリリース時には15駅中10駅分を発表したのだが、そこから約15年、残り5駅の曲も含めた『サーフブンガクカマクラ(完全版)』が2023年7月5日に発表された

最終話EDでアジカン「転がる岩、君に朝が降る」をカバー

「何も持っていないからこそ」ということを歌った楽曲

最終話のEDではついにアジアンカンフージェネレーションのカバーを披露。ボーカルは後藤ひとり(CV 青山吉能)で、ぼっちちゃんらしいギターソロ以外はほぼ原形を残したまま披露された。

原作者のはまじあき先生がチョイスしたという「転がる岩、君に朝が降る」は、まさに「ぼっちちゃん」が歌うべき詞の曲だった。作詞作曲を行った後藤正文は「ぼっち・ざ・ろっく!」での楽曲カバーについて下記のようにコメントしている。

何も持たずに生まれたはずなのに、間違うことや失うことを恐れて臆病になってゆく私たち。それでもこの世界を丸裸のまま転がってゆくのだという決意を歌った『転がる岩、君に朝が降る』という楽曲を、大切に扱ってくれて嬉しいです。
個人的には名曲に再びスポットライトが当たったことが、何よりうれしい。

アジカンのPVオマージュ

「ぼざろ!」3話の冒頭(0:59~)では、突然ザリガニ2匹、競泳水着のお姉さん、謎の緑のおっさんが登場するが、これはアジカンの「君の街まで」のパロディである。緑のおっさんまでアニメ化されてたの感動した。

/3話冒頭をチェックしよう\

また、上記の他にも6話の3:56~でアジカンのアフターダークのパロディ(各メンバーの背中に羽が生えている)が出てくる。なぜかその後サカナクションの新宝島のパロディへ移行するため、情報が渋滞気味になるのも面白い。

虹夏のドラムがチャドスミスモデルの理由や音楽性の共通点

OP映像の0:16~を見てほしい。伊地知虹夏が使っているスネアドラムが映っているのだが、これはパールというメーカーが出しているCS1450という定番モデルだ。よく見るとPearlの企業ロゴの下に、サインが書いてあることがわかる。これはレッドホットチリペッパーズ(通称 レッチリ)のドラムであるチャド・スミスのサインだ。CS1450という名前からも分かる通り、チャドスミスが使っていたスネアドラムをイメージしたモデルになっている。

ところで、実はアジカンのドラムである伊地知潔にもレッドホットチリペッパーズに関するエピソードがある。

様々なバンドを掛け持ちで行っており、アジカンも脱退・復帰を繰り返す状態だったが、デビューに向けてアジカン1本に絞ることになり、メンバーも歓迎した。だが復帰後1本目のライブを事前に入れていたレッド・ホット・チリ・ペッパーズのコピーバンドのライブに出演するため、アジカンのライブに参加できず、他メンバーが当時のサポートメンバーに「もう1本だけ」とサポートを依頼する羽目になった。

引用:Wikipedia

なんとメジャーデビューが決まっていたのに、レッチリのコピーバンドをするからということで出演できなかったという珍しいエピソードがあるのだ。また伊地知潔はパールのドラムセットを使っているため、メーカーも同じだったりする。

その他、伊地知潔はHi-STANDARDやHUSKING BEEといったメロコアバンドへを好きなアーティストとして挙げているのだが、伊地知虹夏もで2話好きな音楽の話になったときに、「あたしはね、メロコアとかいわゆるジャパニーズパンクかな」と同じ方向性の音楽へのリスペクトを明かしている。

山田リョウの無表情

山田リョウの元ネタともいうべき山田貴洋には、次のような話がある。

「写真写りが悪い」という理由で雑誌・プロモーションの写真撮影はほぼ同じ表情であり、そのせいで「無表情な男」と誤解されることもある。
引用:Wikipedia

必ずしもパロディというわけではないのだろうが、キャラクターと似ている部分があるのだ。

結束バンド「小さな海」という楽曲が最もアジカンっぽい

Billboard JAPANダウンロード・アルバムで1位を取った”結束バンド”のアルバム「結束バンド」。主題歌や劇中歌だけでなく、YouTubeで放映前や放映後に公開された楽曲なども収録されている。そのアルバムに、YouTubeにも公開されておらず、OPやED、劇中歌にも使われていない「小さな海」という楽曲がある

実はこの楽曲が、最もアジカンの要素が詰め込まれているように感じる。静かな立ち上がりから、パワーポップ的な楽曲へ移行していくのは、アジカンの「或る街の群青」という楽曲を思い出させるし、またマーチング的なドラムのアプローチも彼らの「マーチングバンド」という曲を彷彿とさせる。

アジカンへのリスペクトを示した曲だと考えられるのだが、なぜ音源を除きどこにも発表されなかったのだろうか。最終話のEDをアジカンのカバー曲にするというのは、制作の後半で決まったという話もあったので、もしかしたら元々最終話EDとして想定されていた楽曲だったのかもしれない。想像は広がるばかりだが、本アルバム中の必聴曲なのは間違いないので、未聴の方はぜひ聴いてほしい。

8話のWEB予告では、ゴッチに影響を与えた向井秀徳への言及

ゴッチに影響を与えたことで知られるNUMBER GIRLというバンドがある。そのフロントマンであった向井秀徳が、NUMBER GIRL解散後に組んだZAZEN BOYSというバンドには「ボウルにいっぱいのポテトサラダが食いてえ」と繰り返し歌う「ポテトサラダ」という曲がある。

「ぼっち・ざ・ろっく!」の第8話のウェブ予告では、リョウが執拗にポテトサラダをロックな存在として訴えてくる。ブッチャーズがナンバーガールに影響を与え、ナンバーガールがアジカンに影響を与え、アジカンが「ぼっち・ざ・ろっく!」に影響を与え、そういったロックの歴史に加わっていく姿を思わせる引用だった。

おわりに

この他にも最終話で披露された「星座になれたら」では、ギターソロ終わりのCメロが「遥か彼方」という歌詞から始まるのだが、この「遥か彼方」こそアジカンが有名になるきっかけとなった楽曲のタイトルなのである。

アジアンカンフージェネレーションはインディーズ時代に「遥か彼方」がアニメのOP曲に使用された(アニメ「NARUTO」)。その翌年に彼らがメジャーデビューし、ロックのアイコンとしての地位を確立していった一因に、このタイアップがあったと考えられる。今でも海外でライブをする際に、現地ファンの大合唱を受けるというこの楽曲のタイトルが、最終話の劇中歌に登場するのは、意図的であっても偶然であっても、素敵だと思う。

このようにアジカンへの愛があふれ、音楽への愛があふれ、そしてそれが社会現象といえるまで話題になった「ぼっち・ざ・ろっく!」。もし2期が制作されるのであれば全力で応援していきたい。

2期が待てない人は原作マンガを読もう。1巻はKindle Unlimitedの対象のため、無料トライアルなどを利用して読める場合もあるので、有効活用してみよう

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コメント

  1. おーしゃん より:

    8話タイトルは作品名でもあって、アジカンと無関係と思われますが、ぼっち=ロック、とすると、1話、8話、12話の3つで「転がる岩、君に朝が降る」が完成するのかな、とも思います。

  2. トゥナイト3 より:

    謎の緑のおっさんは、山本晋也監督ですよ。何故カントクが出ているのかわからないので謎といえば謎ですが。

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