【ぼっち・ざ・ろっく!】後藤ひとりの使用ギター紹介【初心者】

ぼっちちゃん(後藤ひとり)と喜多ちゃんの使用しているギターや機材を紹介。なるべく初心者向けに書いていきます。ギターから連想される「とあるバンド」とは?
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ぼっちちゃん(後藤ひとり)の使用ギター①ギブソン・レスポール・カスタム(黒)

作中でぼっちがお父さんから借りて使っていたギター。ギターの王道であるレスポールという機種の中でも、高級モデルであるレスポール・カスタムだ。値段は安いものでも50万円以上。お父さんの一生モノのギターなのである。ちなみにこれ、どこでレスポール・カスタムかどうか判断できるのかというと、ヘッドの模様が普通のレスポールと違う。

ヘッド(一番上の部分)にダイヤモンド型の模様がついている(画像右)ことが、カスタムの証である。現代に普及したモデルの中で最高峰の一つといえる、多くの人に愛されたエレキギター。それがレスポール・カスタムだ。この黒いレスポールカスタムはその美しさから、ブラック・ビューティーと呼ばれている。しかしヘッドの模様まで丁寧に書いてるとは、製作サイドのこだわりがすごい。

もし初心者の方が、ぼっちちゃんと同じギターで初めてみたいのであれば、ギブソン社の別ブランドであるエピフォンから、価格の抑えられたのレスポールカスタムが発売されているので、オススメ。

喜多ちゃんの使用ギター:レスポール・ジュニア

ちなみに喜多ちゃんの持っているギターは、同じレスポールシリーズの廉価版(安いモデル、入門機)である、レスポール・ジュニアだ(ヘッドの模様はさっきの図の左側)。値段としては8万円くらいかと思われる。

ただ、ちょっとマニアックなのは、ボディの色がペルハム・ブルーという、特定のタイミングでしか発売していない限定カラーになっているところ(TV BLUE MISTというカラーの可能性もあり)。発売当時は買えたと思うのだが、今からこの色のレスポール・ジュニアを手に入れようとするとなかなか難しい。

ペルハムブルーのレスポールも一部メーカーから発売されているが、レスポールジュニアではない(ボディの形も違う)。最近は人気がありすぎて、セミホロウ(バイオリンのように穴が開いているモデル)ばかりだ。作中ではリョウの私物として登場したのだが、この限定モデルを持っているのはかなりマニアックで、リョウのキャラクター造形とあっていて面白い。

ギターはなぜこの2種類なのか-ぼっちざろっくにおけるアジカンの影響

ちなみにリードギターがシングルカッタウェイ(※)のレスポール、ギターボーカルがダブルカッタウェイ(※)のレスポールを使っているバンドがいる。ASIAN KUNG-FU GENERATIONである。(※それぞれギターの形状、下の画像参照。)

左がシングルカッタウェイ(ぼっち)、
右がダブルカッタウェイ(喜多ちゃん)
※ボッチのギターと違い、どちらもレスポールジュニアの構成

ギターの形だけでなく、そもそも『ぼっち・ざ・ろっく!』自体が、アジカン好きすぎなのである。

  • 結束バンドのメンバーの名字は、アジカンのメンバーの名字から取られている
    (アジカンはGt.Vo. 後藤正文 Gt.喜多建介 Ba.山田貴洋 Dr.伊地知潔の4人)
  • 各話のタイトルがアジカンの曲名から着想
  • ぼっちちゃんの家がある横浜市金沢区でアジカン結成
  • 最終話EDでアジカンの「転がる岩、君に朝が降る」をカバー
  • タイトル 第一話「転がるぼっち」、最終話「君に朝が降る」
  • アジカンのボーカル・後藤正文は”ゴッチ”と呼ばれている(=ぼっち)
    4話でサインを考えている時、よくみたら「ごっち」と書いている
  • ぼっち達が活動しているライブハウス・STARRYのモデルである下北沢SHELTERはアジカンが初めて都内でオーディションを通ったライブハウス。
  • その後アジカンは下北沢SHELTERで初めてのワンマン公演を行った。また2005年に初めての武道館公演を行った際には、武道館の床を下北沢SHELTERと同じ白黒の市松模様にすることで敬意を示した。

このように、色々なオマージュとリスペクトがありつつ、色は違えどギターの構成まで同じなのである。

おまけ:喜多ちゃんのギターケース

よくみたらちょっと変わったギターケースを使っている喜多ちゃん。実はこれも元ネタらしきものがある。

Ibanez(星野楽器)から出されているギターケースで、個性的な割にはお値段も抑えめ。コスプレとかする場合はこれあったら再限度高いかも。

ぼっちちゃん(後藤ひとり)の使用ギター②PACIFICA611 VFM

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ちなみに、最終話で父から借りたレスポールカスタムが故障したぼっちちゃんは、お茶の水のイシバシ楽器(本当にある)まで行って、YAMAHAのPACIFICA611 VFMに一目ぼれするのだが、これもいいギターだ。

価格は6万~7万円くらいなのだが、10万円超えのギターに匹敵する音がするという何ともコストパフォーマンスの良いギターで、ボディに素材となった木の模様が出ているのがカッコいい(模様が見える塗装の方が難易度が高いため、高級機に多い)。レスポールよりも演奏しやすく、初心者の方でもとっつきやすいギター。ただしPACIFICAの600番台は最上位モデルのため、もしこれからギターを始めるならPACIFICA112あたりがより安いのでオススメ。

レスポールと違い、シングルコイルとハムバッカー両方が搭載されており、色々な音が出るのもオールジャンル対応できて良い

ぼっちちゃんの使用機材①Yamaha Amplifier THR5

家でボッチちゃんが弾いているシーンで出てきたのが、こちらのアンプ(エレキギターが音を出すための機械)。なんとこれさえあれば、ギターに色々なエフェクトをかけて音を変えたり、パソコンに録音したりできるという優れもの。電源をオンにすると暖炉っぽくオレンジ色に光るのもお洒落。ただ、家庭用アンプにしてはちょい高めなので、最初に買うならもっと安いものからでいいかもしれない。

黒のパシフィカとYAMAHAのアンプをセットにした「ぼっちちゃん」セットのようなものも売られていたりする(パシフィカのモデルが違うので注意)

ぼっちちゃんの使用機材②Steinberg URシリーズ

ぼっちちゃんが”ギターヒーロー”として動画投稿するために、ギターの音をパソコンに録音する際に使っていた機械(オーディオインターフェース)。これもギターを始めてから、録音したくなった場合に、おいおい買い揃えていくもの。

ぼっちちゃんの使用機材③Blues Driver

冒頭のところ、ぼっちちゃんが足元のエフェクターを踏んで音色を変えている。このようにジャキジャキした音にすることを「ギターを歪ませる(ひずませる)」というのだが、恐らくこの青い筐体は、高校生ぐらいのギタリストから大人まで定番になっているBOSS社の「Blues Driver」というエフェクターだ。

こういったエフェクターが無くてもアンプさえあればエレキギターは演奏できるが、ライブ中に音を変えたり、ブーストしたい場合などに使われる

ちなみに原作の3巻の表紙でも、ぼっちちゃんの足元にはブルースドライバーがある

ぼっちちゃんの使用機材④その他のエフェクター

その他どのようなエフェクターを使っているのかは分からないが、例えば上記の「あのバンド」の演奏においては、0:20~あたりからリバーブという音を反響させるエフェクターが使われている。

ただ、ぼっちちゃんの足元にはブルースドライバーしかないのと、実はリバーブは音響側(ライブハウス側)でかけたりできるので、PAのお姉さんの援護射撃だと思われる。

またこちらの動画では0:14~から「ワウ」という、ギターがシンセサイザーっぽい独特の音になるエフェクターを使っていたりして、色々と音を変えながら演奏していることがわかる。

オススメは安いのでこのあたりか、ボッチちゃんが使っているものかは不明

山田リョウの使用ベース FENDER PRECISION BASS

山田リョウが使用しているベースはいわゆるプレべ(プレジジョン・ベース)と呼ばれるモデル。アジアンカンフージェネレーションのベーシストを務めている山田貴洋は、Fender社のプレべを使っているため、そちらに合わせているものと思われる。(ただしアニメのエンドクレジットにはフジゲンという別メーカーがクレジットされていたため、Fender社のものでない可能性もあり。見た目はFenderに見えるが…?)

喜多ちゃんが間違って買った六弦ベース

喜多ちゃんがギターと間違えて購入した六弦ベースは、IbanezのBTB865SC-WKL。それなりにお値段がするので、2年分のお年玉とお小遣いを前借りしたのも納得

虹夏の使用しているスネアドラム

Liveシーンで虹夏の手元を見てみると、ドラムセットの中で左ひざの前にあるスネアだけ色が違うことが分かる。そこだけ自分で所有しているものを持ち込んでいるのだろう。OP映像の0:16~で実際に何のスネアを使用しているかわかるレベルで表現されている

Pearlというロゴの下に書かれているのは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(通称レッチリ)でドラムを務めているチャド・スミス(Chad Smith)のサインだ。これは多くのドラマーに愛された名器、CS1450である。チャドスミスの名前を冠している通り、かつて彼が使用していたスネアをイメージしているのだが、あまりにもスタンダードとなってしまったためレッチリファン以外も当たり前のように使っているモデルである。

おわりに-「ぼっち・ざ・ろっく」の感想

これからギターを始められる方を意識しながら、色々と書いてきた。もし分かりにくいところや気になるところがあったら、気軽に下部のコメント欄で質問などお待ちしております。

個人的な感想としては「ぼっち・ざ・ろっく」メチャクチャ面白かった。ライブの映像と音がちゃんとつながってるのもすごかったが、特に驚いたのは8話の「ギターと孤独と蒼い惑星」で、ドラムがめちゃくちゃ下手に演奏されてること。他のパートもそのドラムに合わせてるから何となく全体的にレベルが下がってて、さらに言えば歌も声が上ずってる。そこまでリアルに作るアニメすごいに決まってる。

最終話の「星座になれたら」もギターの弦が壊れてからは、ちゃんとそのために録音した音が流されてたり、とにかくリアル!音源と聴き比べると、ぼっちちゃんが本当は演奏しようと思ってたソロとか聴けて良い(音源だとまずボトルネック奏法が出てこない)。

各メンバーの成長をちゃんと音で表現してるアニメって、ありそうでなかった

しかも、ギターロックなんて今の時代あまりにも流行ってなさすぎる。ナチュラルにDJがいたり、音が打ち込みだったり。そもそもバンドがロックをやってないことが当たり前の世の中で、シンセサイザーすらいない骨太ギターロックを提示する。今どき、どこのライブハウスにもレスポール二本のバンドなんていない。若いギタリストあんまりレスポール弾いてない。だから熱い。

初ライブの緊張感、人の目線、機材トラブル。色んなリアルが自分の経験を直撃してくる。これだけの作品を作れたのは、関わった人たちみんなの愛だと思う。あの緊張と、上手くいったときの興奮、完全再現。きっとこれがきっかけでギター始める人、すごく増えるんじゃないかなと思い、自分もその導きの一つになれたらと思って、こんな記事を書きました。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

ちなみに原作漫画はkindle unlimitedの対象。文化祭のその後も描かれている。
2本のレスポールも、1巻表紙にそのままの組み合わせで書かれている。

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