- 君島大空について
- 使用しているエレキギター①Fender 1970s Stratocaster
- 使用しているエレキギター②テレキャスター
- 使用しているエレキギター③Martin GT-75
- 使用しているエレキギター④Gibson SG
- 使用しているガットギター:TOKAI(昭和46年製)
- 使用しているナイロン弦:HANNABACH MT500
- 使用しているアコースティックギター①:1970s Morris F-25
- 使用しているアコギ弦:Martin エリッククラプトンシグネチャー
- 使用しているアコースティックギター②
- 君島大空のペダルボード
- 使用エフェクター①YOUSAY SOUNDS NSD(オーバードライブ)
- 使用エフェクター②IBANEZ TS-10(オーバードライブ)
- 使用エフェクター③Empress Effects Heavy(ディストーション)
- 使用エフェクター④BOSS FV-30(ボリュームペダル)
- 使用エフェクター⑤TC ELECTRIC POLYTUNE NOIR(チューナー)
- 使用エフェクター⑥YAMAHA DDS-100(ディレイ)
- 使用エフェクター⑦STRYMON BIGSKY(リバーブ)
- 使用エフェクター⑧REDPANDA TENSOR
- 使用エフェクター⑨Pladask Elektrisk Fabrikat(グラニュラー・ディレイ)
- 使用エフェクター⑩Pladask Elektrisk Draume(グラニュラー・リバーブ)
- その他の使用エフェクター
- アコギ使用時のセッティング
- 使用しているボーカルエフェクター:BOSS VE-20 ボーカルプロセッサー
- 使用しているアンプ:1980`s Fender Twin Reverb II
- 使用しているピック:JAZZ III(赤)
- 宅録の際の音作り(プラグインなど)はギターマガジンで
君島大空について
シンガーソングライターであり、超絶ギタリストでもある君島大空。ナイロンギターで歌とメロディアスなソロを両立させる「向こう髪」は衝撃だった。またバンド形態での演奏を行う君島大空合奏形態では主にエレキギターを使い、西田修大、新井和輝(King Gnu)、石若駿らとみる者を圧倒させる技術と歌心が溶け合ったギターを炸裂させている。
5歳からギターを弾いており、使用ギターの種類も多い君島大空。今回は彼のの名演を追いかけながら、彼の使用しているギターや機材、エフェクターについて情報を拾っていきたい。
使用しているエレキギター①Fender 1970s Stratocaster
長らく君島大空のメインギターを務めてきた1970年代のフェンダー社製のストラトキャスター。ボディがウォルナットで、ギターのサウンドメイクの専門家であるYOUSAYSOUNDSにより、次のカスタマイズが施されている。
- テレキャスターの音が好きな君島大空
- 本来フロント+センターとなるピックアップの配線を、リア+フロントとなる様に変則的なカスタマイズが行われている
- これにより、テレキャスターのセンターに似た音が得られる
ボディの材が珍しいだけでなく、マニアックなカスタマイズである。主にバッキングを「リア+フロント」ソロを「フロント」で弾くらしい。
使用しているエレキギター②テレキャスター
直近のライブではテレキャスターも使われている。2024年~2025年にかけて行われたツアー「笑う亀裂」の映像から。まずYouTubeの「リプレイ回数が最も多い部分」がサビではなくギターソロ(1:40~)に集中していることから、ファンが君島大空のギターが大好きなことが分かる。
この時彼はサンバーストのテレキャスターを使用している。メーカーはこの映像からは判然としないが、フェンダー社製ではないようにも見える。
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こちらについては分かり次第追記する。
使用しているエレキギター③Martin GT-75
この映像は埋め込みが許可されていないのでYouTubeに飛んで聴いてほしいのだが、3:40あたりから始まるギターソロがあまりにも良すぎる。tiny desk concerts JAPANで演奏された「whatever floats your boat」での演奏だ。
使われているのはMartin GT-75という非常にレアなギターで、なんと1966~1967年の間に約450本が生産されたのみだという。このライブのラスト1曲として演奏された「whatever floats your boat」、その最後のギターソロである。かなり抜け感のある音だが、ピックアップはフロントが選択されているように見える。独特な存在感のある、クリーンと歪みで大幅にキャラクターの変わる面白い音だ。
使用しているエレキギター④Gibson SG
GibsonのSGを使っている映像もある。ボディの色は赤っぽいが、定番のチェリーレッドではなくナチュラル系の色味と思われる。そしてピックガードがいわゆる「エンジェル・ウイング」と呼ばれる1弦側のみカバーする小さいもの。それにしてもこの2022年10月の映像では、3ピースだからか君島大空がギターを弾き倒していて最高に気持ちいい。音圧が出やすいからだろうか、トリオ編成の時によく使われているようだ。
使用しているガットギター:TOKAI(昭和46年製)
君島大空のソロを見たことがある人は、みんな衝撃を受けたであろう「向こう髪」の弾き語り。この演奏を支えるのはTOKAIのガットギター(昭和46製)。ナイロン弦が張られたクラシックギターなのだが、君島大空は年単位で弦を変えないとのことで、かなり弾きこんだ枯れた音を好むような発言もしている。
このギターは父親の友人からもらったギターで、学生時代から弾いている長年の相棒だとか。好きなプレイヤーとしてパコ・デ・ルシアをあげており、技巧的な彼の演奏にも納得がいく。
使用しているナイロン弦:HANNABACH MT500
いろいろな弦を試しているそうだが、2023年ごろの情報ではこの弦がお気に入りとのこと。
使用しているアコースティックギター①:1970s Morris F-25
レコーディングで使っていることが確認されているのは、君島大空が小学生のころから愛用しているというアコギ。ボディー下部が一部割れていて、青いテープで補修されている。レコーディングの際には、サウンドホールとボディ割れの2か所にマイクを立てて録るのだとか。
使用しているアコギ弦:Martin エリッククラプトンシグネチャー
このMorrisに採用されているのはMartinのエリッククラプトンシグネチャーモデルの弦。倍音が無いので、曲のパーツとして使いやすいことが理由だという。実際、ライブ映像などではあまりこのMorrisのギターは見かけないので、レコーディング用として余分な要素が少ないことを重視しているのかもしれない。
使用しているアコースティックギター②
君島大空が細野晴臣の「終わりの季節」を、アコースティックギターによる超絶演奏でカバーしている動画。10フレットのインレイもヘッドも特殊なアコギを使っているのだが、これがどのメーカーのものかは特定できず。わかる人いたら教えてください。
他のライブ映像でもアコギはこのギターを使っている様子。
君島大空のペダルボード
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2025年に実施したツアーのペダルボードがおしゃれな方法で公開されている。直列で9つのエフェクターが繋がっており、ボリュームペダルからチューナーに分岐している。実は2023年ごろのペダルボードも公開されているので、この二つを見比べて記載していきたい。変わっていない部分があれば、特に重要な要素と言えるかもしれない。
使用エフェクター①YOUSAY SOUNDS NSD(オーバードライブ)
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君島大空のメインギターにも関わったエフェクターメーカーYOUSAY SOUNDSのオーバードライブであるNSD。君島大空 合奏形態のもう一人のギタリストである西田修大もメインの歪み系エフェクターとして挙げている(ちなみにNSDという名前は西田から来ており、彼のモデルなのである)。君島大空はプリアンプ代わりにこのエフェクターを使っており、全体のベースとなるクリーン/クランチサウンドをつくっているとのこと。
2023年時点でもボードの一番初めに組み込まれており、エレキギター使用時のサウンドの中核と思われる。
使用エフェクター②IBANEZ TS-10(オーバードライブ)
こちらはいわゆるビンテージエフェクターで1980年代後半から1990年代初頭に生産されたオーバードライブ。新三大ギタリストと言われるジョン・メイヤーのメイン歪みエフェクターとして一気に知名度が上がったためかお値段もかなりのもの。ちなみに日本製と台湾製があるが、君島大空がどちらを使ったかは不明。中音域によき存在感をもたらす印象。
使用エフェクター③Empress Effects Heavy(ディストーション)
3つ目に接続されているのは、Empress EffectsのHeavyというディストーション。様々なレビューを見るととにかくメチャクチャ歪むとのこと。さすがHeavyと名付けられただけある。
ペダルボードの画像と見比べ、足の持っていき方から察するに、この激しいギターソロに入るタイミングで踏んでいるのではないかと思われる。メシュガーやドリーム・シアターなど、メタルを通ってきている君島大空だからこそ、激歪みもつかえるのだろうか。メタル並みの歪みからガットギターまで使い分けて幅広いサウンドで表現する君島大空の幅広さに驚く。
使用エフェクター④BOSS FV-30(ボリュームペダル)
ここで定番のボリュームペダルに接続する。チューナーにも分岐している。
使用エフェクター⑤TC ELECTRIC POLYTUNE NOIR(チューナー)
チューナーも定番のPOLYTUNEの黒色(NOIR)を採用。2023年時点のペダルボードの情報から、polytune 3 Miniと思われる。
使用エフェクター⑥YAMAHA DDS-100(ディレイ)
このディレイは君島大空が高校時代から使っている愛機。空間系エフェクターとして広がりを付けたい場面で使いつつ、リバーブだとどうしても散らかってしまう場面で使用するとのこと。こちらも2023年のペダルボードから変更なし。よく考えたらこれ使ってる高校生渋すぎる。
使用エフェクター⑦STRYMON BIGSKY(リバーブ)
言わずと知れたハイエンドリバーブの名機。そもそもstrymon自体がはじめて世に出したエフェクターもリバーブで、多くのミュージシャンに信頼されている。2023年のペダルボードにも組み込まれているのだが、通常の青いモデルではなくかつて限定発売されていた黒いモデル(Midnight Edition)が採用されている。
使用エフェクター⑧REDPANDA TENSOR
そして直列で7番目に接続されているのが、飛び道具的なエフェクターであるTENSORだ。
すごく個性的な音の出せるエフェクターで、リバースエフェクト、ピッチシフト、テープストップ、タイムストレッチ、ホールド、グリッチ、スタッターなど色々なエフェクトを組み合わせられるとのこと。君島大空はリバースさせた音をループに乗せたりすることがあるらしい。
恐らくこの動画のギターソロの途中で出てくる、すごく短いループ(スタッター)もTENSORによるものと思われる。
使用エフェクター⑨Pladask Elektrisk Fabrikat(グラニュラー・ディレイ)
更に飛び道具、グラニュラーと呼ばれる処理技術を使ったディレイのような、シンセサイザーのようなエフェクター。短いサンプル(粒)が読み取られて、それを加工するようなイメージのエフェクター。ノルウェーのエフェクターブランド、Pladask Elektrisk製で、北欧デザイン的な良さがある。
1人で君島大空が演奏するときは、ガットギターにも使っているような印象がある。
使用エフェクター⑩Pladask Elektrisk Draume(グラニュラー・リバーブ)
同じくPladask Elektrisk製の、アンビエント的なサウンドが得られるリバーブ。心地よすぎる。これらのエフェクターは決して有名なエフェクターではないし、日本の代理店が取り扱っていないようで入手しようとしても個人輸入だったり、USED品を購入するような形になるようだ。
ここまで見てきてもうお気づきだろうが、恐らく君島大空はサウンドを追求するあまり、機材マニアと言っても良いほどのエフェクターを揃えている。
その他の使用エフェクター
上記のペダルボードの確認は以上だが、その他に君島大空が良く使うエフェクターがあるので記載したい。
君島大空の使用エフェクター:Line6 DL4(改造)
君島大空が一人で演奏する際などには中核になっていると思われるのが、このエフェクター。様々なディレイをモデリングしつつ、ルーパーとしても使うことが出来るもの。君島大空が使っているモデルは、YOUSAY SOUNDSによってモディファイされており、ロゴの左右にフットスイッチが一つずつ追加されている。
追加したスイッチは左側を踏むと、ループモードに入るようになっていて、右側はプリセットを瞬時に切り替えられるようにしているそうだ。標準機能としてあってもいいくらいの非常に便利なスイッチだ。
アコギ使用時のセッティング
高円寺U-hA ありがとうございました
二度とない日を繰り返しているのだ
最近叫び過ぎました おやすみなさい pic.twitter.com/0LtgJUfMoQ— 君島大空 (@ohzr_kshm) December 9, 2022
アコギを使用している時のセッティング例がこちら(2022年ごろの足元)
アコギ関連機材:L.R.Baggs venue D.I.(ダイレクトボックス)
D.I.(エレアコの音を整えてノイズなどを減らす機器)はL.R.Baggs製のものを使っている。5バンドのイコライザーやクリーンブースター、チューナまで搭載された万能なモデル。見た目もカッコいい。
アコギ関連機材:EarthQuaker Devices / Dispatch Master(リバーブ/ディレイ)
またリバーブとディレイをまとめた便利なコンパクトエフェクターも接続されている。その他、すでに紹介した飛び道具系3種である
- REDPANDA TENSOR
- Pladask Elektrisk Fabrikat
- Pladask Elektrisk Draume
これらが接続されており、君島大空の空間づくりにこれらのエフェクターがかなり貢献していることが分かる。
使用しているボーカルエフェクター:BOSS VE-20 ボーカルプロセッサー
またボーカルエフェクターとしてこちらの機材が足元に置かれている様子が見られる。「˖嵐₊˚ˑ༄」などでかけているボコーダー(声を機械音声的に合成し、シンセサイザーのようにするエフェクト)もこれでかけられている可能性が高い。
使用しているアンプ:1980`s Fender Twin Reverb II
ライブでも宅録でも使われていると思われる、Fender社製のTwin ReverbII。ポール・リヴェラの指揮の下で開発されたモデル。君島大空は全てのつまみを5~6の間に設定して、ブライトスイッチをオンにしてクリーンチャンネルを使用しているとのこと。
また「No Heavenly」のイントロでは、ディストーションチャンネルをプレゼンス以外フルテンにして、ペダルで歪みをブーストさせて使ったとのエピソードがある。
使用しているピック:JAZZ III(赤)
ピックはJAZZ IIIの赤を使用しているようだ。これは君島大空がライブ終わりに投げたピックをゲットした人の証言なので、合っていると思われる。速弾きをする人って大抵JAZZ IIIを使っているような印象がある。やっぱり弾きやすいんだろう。
宅録の際の音作り(プラグインなど)はギターマガジンで
1stフルアルバム『映帶する煙』をリリースした際のインタビューがこちらに掲載されていて、音作りや宅録の際にどのように音を録ったか、どんなプラグインを使ったのかなども触れられている非常に興味深い内容だった。
実はギターマガジンを1冊買う値段(700円)と、Kindle Unlimitedに入会する値段(980円)はあまり変わらない。しかもKindle Unlimitedだと、過去のギターマガジンのバックナンバーも読めてしまうので、ギターについて面白く学ぶことが出来る。もし君島大空の音作りやレコーディングについてさらに詳しく知りたい場合はご参考あれ。
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