モーモールルギャバンが事務所から独立して雰囲気変わった件

京都が生んだギターレストリオが事務所独立後に初のリリース。ミニアルバム『IMPERIAL BLUE』に見た彼らの変化とは?
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『IMPERIAL BLUE』リリース

モーモールルギャバンが9/26にミニアルバム『IMPERIAL BLUE』をリリース。初のセルフプロデュース作となった。公開されたタイトル曲「IMPERIAL BLUE」は、モールルのどの曲よりもテクニカルな演奏が光る。叩きながら歌えるのか、ゲイリー。

今のところダメそう

これまでのモーモールルギャバンと明らかに違う路線で売り出された今回のアルバム。知らない人のために過去の曲を振り返っておこう。

お祭り騒ぎの異形バンド

荘厳で歪んだオルガンの響きから始まる「さらば人類」で、なぜか担ぎ出される3人。徹底的にイロモノだ。Dr.&Vo.ゲイリー・ビッチェ、恐怖で顔が引き攣っていて面白い。

「Dr.Panty」のMVでもどぎつい化粧に着飾った姿の3人組。実はこの時期の曲(2014~2017年あたりか)はファンの間でも評価が分かれている。その理由は色々と考えられるが、この奇抜なヴィジュアルが、曲にB級の烙印を押していたのではないかと思う。

例えば「Dr.Panty」は曲名ほどふざけた曲じゃない。

「Dr.Panty」歌詞

むしろシリアスで暗めな歌詞が乗せられていて、彼らのもつ自己肯定感の低さという魅力を湛えている。なのに評価されなかった。それは見た目がコミックバンド然とした印象を与えていたからだろう。

事務所から独立

もう一度「IMPERIAL BLUE」のMVを見てほしい。モーモールルギャバンの悪ふざけは鳴りを潜め、エモーショナルに曲を展開している。明らかに今までの路線と違っている。そしてこの曲とそれ以前の間に、彼らは事務所から独立しているのだ。

2017年まで9年間、彼らはLively Upという事務所に所属していた。「IMPERIAL BLUE」と「Dr.Panty」のMVを比べれば、素人目にも製作費が大きく違うことが分かるはずだ。事務所というバックがつくことで資金を得るかわりに、所内での差別化のためイロモノであり続けたのではないか。そう思えてしまう変わりようなのだ。

アー写がまともになった

某インタビューでも、見た目で攻めすぎたことを反省していたゲイリー・ビッチェ。アー写をちゃんと人間に見えるようにしたらしい。

これが

こうなった。別人じゃん。こんなところにも大きな変化が訪れている。

次にミニアルバム『IMPERIAL BLUE』からもう一曲、このアー写と同じ場所で撮られた「7秒」のMVを見て頂きたい。

「7秒」ふざけないMV

事務所時代なら想像もつかないDIY感のあるMV。彼らの代名詞、ギターの代わりを果たす歪んだキーボードの音には、爽やかな美メロが乗せられている。曲中に見られるのは、コミカルなライブバンドとしてのモーモールルギャバンではなく、ありのまま、屈託のない笑顔で前へと進み続ける3人の姿だ。

事務所からの独立とは安定した生活を捨てることだ。去年、彼らは困難な道のりを選んだのだ。しかしその勇気ある選択が、モーモールルギャバンを良い方へと運んだようだ。なんと憑き物の取れたような顔をしていることか。イロモノではなく、ありのままの裸。あのクレイジーなパフォーマンス抜きで、素直に良い曲だなと思えるものを発表してきたのだ。まぁ脱ぐのは脱ぐんだけど。

原点回帰的な側面

初期の代表曲「サイケな恋人」に、「7秒」の原型を見ることが出来る。あるいはモーモールルギャバンの原点も。この頃の透明なエモーショナルが「7秒」で帰ってきたのだ。

しかし過去をなぞっているわけではなく、明らかに楽器の腕が上達していたり、詞が詩的になっていたり、エッセンス以外の部分は大きく変わっている。

過去のアップデート、未来形

事務所に所属する前に作られた「サイケな恋人」。その頃の良さを持っている「7秒」は過去を現在にアップデートしたものといえるだろう。そして「IMPERIAL BLUE」のようなスタイルは新しいモールルの姿、彼らの未来形と考えられる。

セルフプロデュースのミニアルバム『IMPERIAL BLUE』は、事務所から解き放たれ、彼らの髄にあったものを煮詰めた傑作なのだ。

おわりに

かつて「音楽がスポーツ化」しているとしてライブ活動を自粛したほど、音楽に真摯に向き合ってきた彼ら。事務所の干渉を受けることなく歩んでいく道のりは、どんな風に彩られていくのだろうか。

IMPERIALBLUE/モーモールルギャバン
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このアルバムは捨て曲無しだった。特に3曲目の「AI ha MABOROSHI」では、ゲイリーの持つ虚無感がポップに表現されていて素晴らしい。

若手との対バンを重ね、インドでライブを行い、新しい環境に身を置き続けてきたベテランバンドの現在形、そして未来形。セルフプロデュースで、アルバムジャケットすら自分たちで描く姿に覚悟を感じた。2018年の必聴リリースだ。

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