星野源『うちで踊ろう』
星野源がコロナウイルスによる外出自粛を受けた楽曲『うちで踊ろう』をinstagramにて公開。「生きる」こと、そしてうちに居ながら「繋がる」ことをテーマに書かれた一曲だ。彼が「誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」と書いたことで、星野源と実際に「繋がる」ミュージシャンやダンサーが続出している。
何人かご紹介させていただきたい。
三浦大知
星野源がNHK の朝ドラ『半分、青い。』の主題歌として書き下ろした「アイデア」、そのPVの振付を担当したのが三浦大知である。ダンサーとしても歌手としても第一線で活躍する三浦。同じマルチアーティストとして、常々親交がある二人が、今回はWi-Fiを通してインターネット上でつながる。
思えば星野源は「さらしもの」で、インターネット上でしか繋がりのないドイツ人アーティスト・Rascalのビートに乗せて曲を発表した。うちにいながら繋がり・踊るという発想は、この自粛ムードの前からあったのだ。
Ryo Tracks
#自粛おうちコラボ
with @gen_senden @DAICHIMIURAinfoインスタに星野源さんが「家でじっとしていたらこんな曲ができました」と載せた動画に、三浦大知さんが歌とダンスを乗せて投稿、、
ってこれはもう僕もビートボックス入るしかないでしょー!よしてー!混ぜてー!失礼します!#うちで踊ろう pic.twitter.com/gIbeVLJu0q
— RyoTracks (@RyoTracks) April 3, 2020
大阪出身のヒューマンビートボクサー、RyoTracksが上記の楽曲とコラボして、ビートボックスを披露している。様々なミュージシャンがうちにいながら気軽にセッションできるという状況が素晴らしい。テクノロジーが人と人とのつながりを希薄にするという、いわゆる一般論は果たして正解なのだろうか?
オーイシマサヨシ
#うちで踊ろう pic.twitter.com/RDx3c6VJFk
— 大石昌良【オーイシマサヨシ】 (@Masayoshi_Oishi) April 3, 2020
アニメ『けものフレンズ』OP曲「ようこそジャパリパークへ」の作曲で知られるシンガーソングライターのオーイシマサヨシもコラボ動画を発表している。上記楽曲はかつて星野源がラジオで大絶賛した過去があり、共にラブコールを送り合っているような間柄だ。
STUTS
星野源さん(@gen_senden )の「うちで踊ろう」に遊びながら色々音重ねてみました!
とても楽しかったです🏠 #星野源 #うちで踊ろうhttps://t.co/uxnKYaYM1D pic.twitter.com/UF9MJS6JyG— STUTS (@STUTS_atik) April 3, 2020
同じく『アイデア』でビートを担当したSTUTSもコラボ動画を発表している。彼の代名詞ともいえるよれたビートが、どこか人の暖かみを伝えているようだ。そしてこのインターネット上での繋がりは、さらに続いていく。
武嶋 聡
源くんの「うちで踊ろう」に音を重ねたSTUTSちゃんにフルートとクラリネット が #重なり合うよ @gen_senden @STUTS_atik #うちで踊ろう #星野源 https://t.co/Nefzg0Kjyx pic.twitter.com/mLir3UGu4f
— Satoru Takeshima (@takesax) April 4, 2020
星野源のライブにフルートやクラリネットで参加してきた武嶋聡が、STUTSの音源に重ねる形で飛び入り参加。涼しげな管楽器の音が、シティポップな洒脱さを楽曲に与える。そしてコラボまだ続いてい行く。
村上 基
源くん@gen_sendenのにコラボしてたスタッツ君@STUTS_atikと武嶋さん@takesax
にコラボしてみました。
が、二人のはもう十分完成されてたので、サビから爆アゲブラスセクションに変えてみました。スタッツ君、武嶋さん、勝手にごめんなさい#星野源 #うちで踊ろう #武嶋さんに会えなくて本当は寂しい pic.twitter.com/maKuzHWUVk— 村上基 (@mmmotoi) April 4, 2020
同じく星野源やレキシのサポートで武嶋とコラボしてきた村上基が、クラブジャズ的なアプローチから爆音のホーンセクションを付けたアレンジを、これまでのSTUTSと武嶋の音源に重ねる形で発表してきた。うちで踊る、うちで繋がる、音楽は続いて行く。
CHAI
星野源さんの #うちで踊ろう
CHAIも参加したよ〜!❤️@gen_sendenみんなたのしいおうち時間過ごそうね😘 pic.twitter.com/D506F43w8l
— CHAI official (@CHAIofficialJPN) April 4, 2020
名古屋から世界に羽ばたいた4人組ガールズバンド・CHAI。数あるコラボの中で一番「おうち」感のある映像で、スパイスをシェイカーに、食器をドラムにして演奏している。
toconoma
こんな時代ですから、ありがたくセッションさせてもらいます!星野さん。尊敬してます。踊りませんか皆さん。#星野源 #うちで踊ろう #toconoma #freedomcustomguitarresearch pic.twitter.com/geXSY4iJdq
— toconoma (@toconoman) April 3, 2020
ダンスミュージックをインスト(歌無し)で演奏するバンドとして、多くの人を躍らせてきたtoconomaのGt.石橋光太郎が、洒落たギターフレーズを「うちで踊ろう」に重ねている。気持ちいいソリッドな質感に彼らしさがにじみ出る。
高畑充希
ミュージカルもこなす多芸な女優・高畑充希。2007年にコブクロの小淵プロデュースで歌手としてもデビューしている彼女から、R&Bらしい休符の効いたコーラス動画が公開されている。
シンリズム
星野源さん(@gen_senden )の「うちで踊ろう」音重ねやってみました。#星野源 #うちで踊ろうhttps://t.co/7NgyvwIhMi pic.twitter.com/UUTj7iFzdW
— シンリズム (@shinrizumu) April 5, 2020
様々な楽器を演奏できるシンガーソングライター、シンリズムのコラボ動画がこちら。かなり重厚感のあるアレンジで、色々なパーカッション(=打楽器)が登場するのも特徴的だ。最後の幽霊の音みたいなやつ家にあるのすごい。
釣俊輔
少し乗り遅れたけど参加してみた🙆♂️
0時スタート、ノープランでアレンジしてみたら案の定ディスコファンクになった🕺🕺🕺
右側はアレンジ完成してプレイバック中のダンス🕺#うちで踊ろう @gen_senden #星野源 https://t.co/T2atTzrwl8 pic.twitter.com/U5m2emF26D
— 釣俊輔 (@tsurishun) April 4, 2020
GReeeeNやAimerなど、多くのミュージシャンの編曲に関わるプロデューサーである釣俊輔は、爆音ディスコファンクアレンジをノリノリの本人の映像とともに公開中。まさに「うちで踊ろう」である。ミラーボールが回る幻惑と陶酔の世界。
廣津留すみれ
星野源さまと勝手にコラボ。
インスタを賑わせている #うちで踊ろう
バイオリンバージョンです!
素敵企画すぎる!😍#星野源 pic.twitter.com/WfaxDL57HW— 廣津留すみれ|Sumire Hirotsuru (@sumire_vln) April 3, 2020
ニューヨークを起点に活躍するバイオリニスト・廣津留すみれもコラボ動画を発表している。わずか1分弱の動画に詰め込まれた個性と、終盤の「恋」をオマージュしたと思われるフレーズが素敵だ。
LUCKY TAPES
@__1961 ‘s arrangement for @gen_senden #うちで踊ろう #星野源 #GenHoshino#KaiTakahashi #LUCKYTAPES pic.twitter.com/WKdNISGY9e
— LUCKY TAPES (@luckytapes) April 4, 2020
LUCKY TAPESよりKai Takahashi [Vo.Key.]のコラボ動画も投稿されている。撮り方のお洒落さもさることながら、アレンジやミックスのクオリティの高さに驚かされる。ストリングスの使い方は星野源オマージュとしての要素もあるのだろう。演奏も映像もミックスもすべて自宅でやってしまえる人は本当にすごい。
青山テルマ
言わずと知れた「そばにいるね」のヒットシンガー青山テルマは、重厚なのにリラックスしている不思議なコーラス動画を公開中。うちでメチャクチャ踊ってます。
眉村ちあき
#星野源 さんと重なり合わせてみましたドン!
#うちで踊ろう @gen_senden pic.twitter.com/IxU8VV9WDe
— 🏠眉村ちあき MayumuraChiaki🏠 (@rexno_chi) April 6, 2020
ビートも作れる、歌もかける、場もアゲられる。そんなスーパーアイドルの眉村ちあきもコラボ動画を発表。「恋」のサンプリング的な一節の中で踊る狂う…最高です。発想が本当に面白い。
タンタラ 大方大輔
うちにある楽器を総動員してサケロック風味に#うちで踊ろう #星野源 pic.twitter.com/FblYE4EjPQ
— 大方大輔/タンタラ/DEPO LABO (@oGATaiTAI) April 6, 2020
恥ずかしながら存じ上げない方だったのですが、アレンジが非常に面白かったのでご紹介させていただきたい。かつて星野源がハマケン(在日ファンク)や伊藤大地ら同じ高校の仲間と組んでいたインストバンド・SAKEROCK。その雰囲気を復活させたような演出が素晴らしい。
清塚信也
最近は深夜帯の音楽番組にしょっちゅう出ているピアノ激うまおじさんこと清塚信也。男性クラシックピアニストとして史上初の武道館単独公演をやってしまった人気者は、伴奏に留まらないスリリングな鍵盤上のトリックを披露。
Night Tempo
僕はお家大好き人なのでやってみました。#星野源 #うちで踊ろう #シティポップ pic.twitter.com/h4erqkOoVl
— Night Tempo 夜韻 (@nighttempo) April 6, 2020
ネットに漂うVaporwaveという一つの大きな音楽のうねりを牽引したNight Tempoも、彼のやり方で星野源とコラボ。2019年を代表するとあるHIPHOPのアルバムに、山下達郎の曲がサンプリングされているのは、彼らのようなミュージシャンが80~90年代の音楽を世界に向けて発信したからなのです。
坂口有望
重なり合ってみた! #うちで踊ろう@gen_senden pic.twitter.com/dgiiOePgUq
— 坂口有望(さかぐちあみ) (@ami_sakagt) April 6, 2020
筆者が近いうちに紅白に出演するんじゃないかとにらんでいる、普遍的な魅力を持つ女性シンガーソングライター・坂口有望もコラボ動画を披露。メロディーメイカーとしての彼女の才能が、コラボにもいかんなく発揮されている。
亀田誠治
イントロつけてみました!🎶😊😊😊
「うちで踊ろう」
星野源×亀田誠治
源ちゃん @gen_senden とオンラインでセッションしたよ!
みんなで踊ろう!#うちで踊ろう#StayHome #ベース pic.twitter.com/EC4sETFX07— 亀田誠治 Seiji Kameda (@seiji_kameda) April 6, 2020
先日待望の復活を果たしたベーシストとして、あるいは唯一星野源のソロ名義の音楽に関わった音楽プロデューサーとして、邦楽を表裏から支えるベーシスト・亀田誠治。絶対にいい人。
小田朋美
コーラス研究中なのでめっちゃ重なり合ってみました
今日も一日🏠🎶#うちで踊ろう#dancinginmyhouse#星野源 pic.twitter.com/AfAkoYuSJx
— オダトモミ | Tomomi Oda (@oto0909) April 5, 2020
超絶ミュージシャンを集めて新たなポップを試みるバンド・CRCK/LCKSのヴォーカルとして、あるいはシティポップ・リバイバルの端緒を作り上げたceroのライブサポートとして、彼女の姿を目にした音楽好きの方は多いのではないだろうか。独特な音程のチョイスなのにパズルのピースのようにハマっていく、その心地よさに気づいた時には、彼女の虜になっている。
origami PRODUCTIONS
プロデューサー/マルチアーティスト集団であるorigami PRODUCTIONSから、Kan Sano、関口シンゴ、Shingo Suzuki、mabanuaがコラボ動画を発表している。
Kan Sano
session with 星野源 @gen_senden #うちで踊ろう pic.twitter.com/3A8RHu4r2V
— Kan Sano (@kansano) April 3, 2020
平井堅や絢香など様々なミュージシャンへのプロデュース業と、音楽番組『関ジャム』への出演、自身のソロワークでの活躍で名を馳せるKan Sanoは、Twitterにクオリティが高いコラボ作品を投稿している。プロデューサーとしての腕を見せる心地よくメロウなアレンジは、すでに30万回以上再生されている。
関口シンゴ
素敵な機会をありがとうございます🙏✨
最高に素敵な曲。。🕺「うちで踊ろう」
by @gen_senden #うちで踊ろう #星野源 pic.twitter.com/ugjAAfyjsC— 関口シンゴ (@vusik_music) April 3, 2020
あいみょんやBiSHのアイナ・ジ・エンド「死にたい夜に限って」へのプロデュース参加等、プロデューサー/ミュージシャンとして活動中の関口シンゴは、彼独自のメロウでソフトなギターフレーズを重ねている。
Shingo Suzuki
星野源さんと。
楽しい機会、ありがとうございます😊
ベース弾いて、楽器打ち込んでみました。
いい曲たー😆#うちで踊ろう#星野源 pic.twitter.com/GBppHOmzjU— Shingo Suzuki (@Shingo_Suzuki) April 4, 2020
矢野顕子ら多くのミュージシャンのプロデューサーとして、また関口シンゴも所属するバンドOvallのリーダーとして、活躍するマルチミュージシャン。様々な楽器を操りトラックを作るShingo Suzukiは、その作品がインターネットにアップされると海外で注目されてきた。まさに今回の企画にうってつけのWi-Fiを通じて世界とつながってきた一人である。
4/5に『関ジャム』へ出演するとのことだ、お時間のある方はぜひ。
mabanua
Dancing In My House!!!!#星野源 #うちで踊ろう#dancinginmyhouse #mabanuahttps://t.co/kMltDpyGZY pic.twitter.com/W3cLjP8vzJ
— mabanua (@mabanua) April 5, 2020
米津玄師へのプロデュースワーク等で知られるmabanua(マバヌア)は、群馬の自宅に併設したスタジオ「Kiryu Studio」からもコラボ動画が到着。origamiの面々は多くの楽器を操るマルチなミュージシャンばかりだが、彼もその例にもれず、おうちでバンドを結成している。
ちなみにレコーディング、ミックスも全部自分でやりました。誰とも会えないので一人でやるしかない!#うちで踊ろう #星野源
— mabanua (@mabanua) April 5, 2020
正真正銘一人でやったとのことで、やっぱりプロデューサーをしている人はすごい。
Michael Kaneko
俺も作ってみた!かなり遊んだ 笑#星野源#うちで踊ろう#socialdistancing#michaelkaneko #stayhome@gen_senden pic.twitter.com/ecAuuL3fFT
— Michael Kaneko (@michael_kaneko) April 5, 2020
AmPmとしての作品「Best Part of Us」がSpotifyのグローバルチャートにランクインし、国内外で評価されているMichael Kaneko(マイケルカネコ)。幸福感の強いアレンジからは、楽しんでこの企画に参加したことが伝わってくる。
origami Home Sessions
彼らが所属するorigami PRODUCTIONSは3月末から、所属するミュージシャンたちのインストトラック(歌無しの音源)とアカペラトラックを無償提供している。「origami Home Sessions」と題されたこの企画では、上記のトラックを使って音源をリリースしてよい、かつ収益はorigamiへ分配しなくてもよいというルールになっており、無名ミュージシャンたちが名前を躍進させるきっかけになるのではないかと考えられている。
すでに多くのミュージシャンがこの企画に賛同して音源を公開しており、今後も広がりを見せていくことだろう。そして邦楽のビッグスターである星野源が、同じ発想の「うちで踊ろう」を発表したのである。彼の気軽な一歩に見える投稿が、邦楽に大きなうねりを生む可能性がある。
おわりに
4/4には、origami PRODUCTIONS代表の対馬氏が1,000万円の自己資金の寄付を発表した。上記カードから飛んで読んでいただければと思うが、寄付を募るのではなく、困っている人は連絡くださいという内容だ。なにか音楽に対して出来ることがないか、音楽好きは誰もが考えているのだ。フリーのコラボ企画はその一つの答えとなっている。
【Gotch】origami PRODUCTIONSのプロジェクト“origami Home Sessions”のパラ&ステムデータより新曲2曲を作成&発表!
楽曲はOTOTOYのチャリティー配信『SAVE OUR SPACE』より販売致します。https://t.co/0xzSj5BUO4 pic.twitter.com/DSNUwak7iB— AKG Information【公式】 (@AKG_information) April 17, 2020
そしてASIAN KUNG-FU GENERATIONのヴォーカル・後藤正文は、上記のORIGAMI HOME SESSIONSを使って作った音源の収益を、上記の対馬氏の寄付へ加えると発表。支援の輪が広がっている。
Twitter上には今回紹介しきれなかったコラボ動画がまだまだある。おそらく1000個以上アップされていると思う。そしてこれからも増えていくだろう。いつまでも聴いていられるような星野源のうたの普遍性と、そこでコラボするミュージシャン/ダンサー達が見せる様々な個性。うちで踊るのにうってつけだ。TwitterやInstagramで「#うちで踊ろう」でぜひ調べてみてほしい。それでは。
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