【2023年】マニアが教える女性シンガーソングライター35選

最先端の女性シンガーソングライターをキャッチしよう。ジャンル毎にまとめてご紹介。好きなジャンルがある方は下の目次からお好みの項目へ飛べますので、ご活用ください
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ソウル・R&Bのまなざし

ソウルやR&Bなど、ブラックミュージック(黒人音楽)からの影響が見られるシンガーソングライターたち。メジャーだとMISIA・JUJU・宇多田ヒカルがこの分野のSSW(シンガーソングライター)といえる。ルーツの異なる音楽をどのように取り入れるのか。それぞれの違いに注目していただきたい。

kiki vivi lily

ソウルなグルーヴ×ウィスパーボイスの発明。心地よい声とリズムをきっと誰もが好きになる。
リズムが心地よくグルーヴ感のあふれる歌声と言えば、JUJUやMISIAが浮かぶだろうか。彼女たちと同様に、ブラックミュージックをルーツとして感じさせながらも、心地よさに主軸を置いたようなウィスパーボイス(ささやき声)が特徴的なシンガーソングライターが、kiki vivi lily(キキヴィヴィリリー)である。チルなヒップホップ~ポップスが流行の今、躍進寸前の注目株。
1stAlbum「vivid」が音楽専門誌「MUSIC MAGAZINE」で10点満点を獲得

大比良瑞希

現代のシティポップを紡ぐ東京出身、等身大のSSW(シンガーソングライター)。
彼女のスモーキーな歌声とエレキギターで弾き語るスタイルは、チルな時間に聴きたくなる。作詞作曲編曲を行った「Sunday Monday」は、緩やかな気だるさの中で、思わず体が動いてしまうミニマルなビートが組み込まれた快作。
七尾旅人、蔦谷好位置、tofubeatsら参加の2ndアルバム

ラブリーサマーちゃん

ゆるくて中毒性のある楽曲が特徴的。インターネット世代のアイコンになり得る存在。

「可愛くてかっこいいピチピチロックギャル」をキャッチフレーズに、インターネットで公開した音源から火がついたシンガーソングライター。ラッパー・泉まくらとのコラボ楽曲「202 feat/泉まくら」も自身で編曲まで行っている。現代ではSSWの在り方もギターやピアノの弾き語り一本を超えて、自身のキャラクターを表現できるアレンジまで含んだものになっている。

おかもとえみ

繊細な高音とグルーブが作り出す水色の世界。爽やかさの中に切ない苦しみを込めるシンガーソングライター。

バンド・フレンズのボーカルとしても活躍するおかもとえみ。THE・ラブ人間というバンドではベーシストとして4年間活動し、今も後述する関取花をはじめとした多くのミュージシャンをベースでサポートしている。また特撮リスペクトバンド・科楽特奏隊ではシンセサイザーを担当するなど、非常に多彩な音楽活動を行っている。彼女のソロの大名曲が「POOL」である。ライトブルーの空間を揺蕩う魅力をぜひ聴いてほしい。

NakamuraEmi

ヒップホップ/レゲエの影響を受けたリズミカルに尖った言葉が武器のSSW。

パワフルな言葉は誰かを責めるようでいて、常に自分自身に向けられているようで。そんな内省的な世界観がリズミカルな言葉選びとマッチしたのだろう、最近はNakamuraEmiを好きだという声を本当によく聞く。アコギを使ったフォーキーなブラックミュージックの作りこみもカッコいい。

Anly

ルーパー(その場で録音した音をループできる機械)を駆使し、1人で多様な音楽世界を表現する。自分自身のみが頼りのカッコよさ。

ルーパーを駆使した音楽の難しいところは、一つでも失敗すればライブが崩壊するところ。沖縄・伊江島出身で英語堪能という様々なルーツを持つAnlyは、そんなルーパーを駆使した演奏の中で、英語と日本語を溶け合わせた独自の演奏を実現する。

Ruri Matsumura

アメリカを中心に活動中。プロデューサー集団・Ovallに見いだされた才能。

プロデューサー集団が企画したイベント#origamiHomeSessions。プロデューサーが作ったトラックを使い、何らかの自分の曲を作るという企画で、数多くの投稿の中から見いだされたのが上記の楽曲「SWIPE」だった。同曲でTokyo Jazz Fes 2020 Tokyo Jazz plus+に出演。米国を中心に活動するRuri Matsumuraが日本で配信イベントに出演するというインターネットの奇跡。どうしてこんな人が埋もれていたのか、と思えるアレンジと表現の妙。

優河

民謡のような響きを感じさせるフォーキーなソウルを体現。

しとしとと降る雨のように柔らかな質感のトラックと、その穏やかな空気にマッチする優しくもグルーヴ感の強い声。この曲がまだ3,000回しか再生されていないなんて!時代性ともマッチした彼女の音楽は、きっと今後注目を集める存在になる。

AAAMYYY

サイケデリックロックバンド・Tempalayでも活躍するサイケデリック・シンガーソングライター。
トリップしそうになるシンセサイザーの揺らぎ。TENDREら多様なアーティストのサポートメンバーとして、シンセサイザーと歌のふたつで邦楽界を渡り歩くシンガーソングライター。本曲では、所属しているバンド・Tempalayと同様に、サイケデリックな魅力が満載。こういった曲を書けるSSWは大変ありがたい。

Naz

沖縄出身、10歳からライブハウスで活動するソウルの才能。13歳でオーディション番組に出演した際の衝撃映像も要チェック。
洋楽に囲まれて育った沖縄出身のシンガーソングライター。洋楽顔負けの表現力が特徴的な彼女が初めて注目されたのは13歳の時のオーディション番組「X Factor Okinawa Japan」への出演だ。

13歳の少女から出てきたとは思えない驚きの表現力。現在はWONKやSeihoなど、それぞれの分野で第一線を貼っているミュージシャンと制作した楽曲を発表している。

milet

焦燥すら感じる切れ味鋭い歌声を唯一無二の武器に。米国の音楽と比肩するクオリティ。

作詞・milet、作曲・Toru/milet、編曲Toru(ONE OK ROCK)の一作「inside you」がドラマ『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』のオープニング・テーマに抜擢され、音楽配信サイト11サイトにて初登場1位を果たした。この方も声が大変すばらしい。

馬渡松子

アニメ『幽遊白書』で知られたソウル系シンガーソングライター。自身でアレンジまで行える多彩な才能。
『幽遊白書』で初代OP「微笑みの爆弾」や上記「さよならbyebye」などを提供した馬渡松子。アニソンというと分業体制のイメージがあるかもしれないが、この楽曲は作詞以外の全てを馬渡本人が行っている。特に「さよならbyebye」は独特のメロディーのサビや抑揚の効いた歌、現代でもお洒落と感じるトラックなど、色々な要素が詰まっていて素晴らしい。

ピアノによる表現

ピアノは感情を表現するのに最適な楽器であると言われている。松任谷由実や広瀬香美、アンジェラ・アキがその代表格だろう。その表現の多様性を活かしたシンガーソングライターたちをまずはご紹介したい。

中村佳穂

1~2曲目の繋ぎのスムーズさと10:50~の衝撃!
躍進を続けるアドリブの女王。震え声を音楽に昇華した独自技術と超絶テクピアノ。

無名の状況からくるり・スチャダラパーBOSE・高野寛・tofubeatsらとの共演を実現させた天才。唯一無二の声とピアノの技巧を持って行われるアドリブ主体のライブは、その空間に居合わせたあらゆる人に衝撃を与える。「時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守監督最新作「竜とそばかすの姫」にて、ヒロイン・ベルの歌を担当していることが判明。2021年中に更なる躍進を遂げるであろう、最重要の存在。

京都の大天才、中村佳穂は聴いておくべき
くるり岸田繁が賞賛し、tofubeatsやKan Sanoとコラボしたソウルフルな女性シンガーソングライター!米津玄師・アジカンGotch・いきものがかり水野良樹・Charaら絶賛!
20回以上彼女のライブに行っている筆者による紹介記事

日食なつこ

一つのピアノの中にギター・ドラム・ベース、全ての要素が組み合わさる
一台のピアノでバンドサウンドを組み立てる技巧的な音楽と、超難度のピアノを弾きながら歌う才女。

ドラムとピアノというミニマルな組み合わせの中で、無限の音楽の可能性を示したシンガーソングライター・日食なつこ。単なる伴奏楽器に留まらない自由なピアノは、性格ゆえにバンドが組めないという彼女の研鑽の証しだろう。Spotifyによるライブ配信サービス・Spotify Sessionに日本人として初めて選出され、世界に向けて演奏した。

コトリンゴ

キリンジの元メンバーとして、あるいはアニメ映画「この世界の片隅に」の音楽担当として、多面的に活躍するSSW。柔らかなハーモニーが心地いい。

バークリー音楽院に留学し、その後ニューヨークで音楽活動を開始した早熟の才能。はじめに坂本龍一に見いだされ、日本デビューを飾った。アニメーション映画「この世界の片隅に」において、主題歌・劇中歌・BGMのすべてを担当し、その年の日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した。浮遊感とポップを両立させた世界観が特徴。

大名作「この世界の片隅に」。まだ見ていない人はプライムビデオで視聴可能。コトリンゴの劇伴も。

葉山久瑠実

力強い言葉とハスキーボイスが印象的な、等身大ピアノ弾き語りSSW。

葉山久瑠実のすごさは、その飾らなさかもしれない。ライブでは観客1人1人に負の感情をぶちまけるような、観る者に衝動を与える演奏を見せる。そして自分を売り込まず、YouTubeにあげている曲数も極端に少ない。5th miniアルバムまで出しているのだが、その中で公開されているのはほんの数曲だ。その独特な音楽活動のスタイルに、惹かれてしまう自分がいる。

衝撃的なタイトル・衝撃的なジャケット

寺尾紗穂

ホームレス支援やエッセイの執筆など、様々な分野で活動するSSW。社会を見つめるまなざしを歌にした曲が素晴らしい。

寺尾沙穂の「アジアの汗」。5thアルバム『残照』に、不適切だとしてメジャーでは一部歌詞が削られたverが収録された。その後、インディーズ扱いでリリースした『放送禁止歌』がというEPにてリリースされたのが、上記の歌詞削除無しver「アジアの汗」である。日本で暮らすアジアの人々の辛さを柔らかく、早大に描いた一作。メッセージ性の強い歌が書けるSSWは最高だ。

歌詞削除版は「アジアの汗 Controlled Version」としてリリース、無念が感じられる

倉橋ヨエコ

2008年に”廃業”した自己の暗部を見つめるSSW。ジャズの要素が組み込まれた、お洒落な感覚と自己嫌悪が入り混じる複雑な楽曲群。

言葉の力を体現するピアノ弾き語りSSW。決して人生を肯定しない言葉選びが、彼女にしかすくえない人たちにとって、心の支えになっていたんじゃないだろうか。10年以上前の歌だが、心に訴えかける歌声は風化しない。「東京」というタイトルがついた歌は数あるが、ストレートに「帰りたい」と連呼するのはこの曲ぐらいじゃないだろうか。

ヒグチアイ

メロディアスに展開するリフの上で、自己の中の他者、他者の中の自己を歌うピアノ弾き語りSSW。自己の半生を振り返る大名曲「備忘録」をぜひ一度聴いてほしい。

2歳からクラシックピアノを学び、フジロックなどの大型フェスにも出演している方ながら、その自己肯定感の低さが僕らの胸を打つ。語り掛けるような中音域の声は、彼女の存在を限りなく近く感じさせる。

ルーツミュージックの世界

カントリーやブルース、レゲエなどの民族的ルーツがある土着的な音楽。それがルーツミュージックだ、古い音楽を大切にするまなざしは、彼女たちの新しさとマッチし、全世代に響く普遍的な美しさを体現する。

カネコアヤノ

音楽として素晴らしいだけでなく、非常にアイコニックな存在
フォークソングの影響を感じるメロディー&アレンジ、独特のハスキーな歌い方。古くて新しい彼女は全世代に刺さり、そしてアイコンとなる。
独自の表現ながらも、どこか懐かしさを感じさせるミュージシャン。多くの著名人が賛辞を贈った彼女の才能とカリスマ性は、ライブ映像を見てもらえれば伝わるだろう。今後の女性シンガーたちのアイコンとなり得る天才と評せざるを得ない。
アルバム『燦々』が第12回CDショップ大賞2020大賞<青>を受賞

関取花

言葉選びのセンスとうがった視点が、心の深奥を打ち抜く。

ユニーク。彼女の音楽性は総評せざるを得ない。パワフルな歌声とコミカルな視点から書かれた歌詞、曲がりくねった言葉の中に不意に投げ込まれるまっすぐな詞が胸を打つ。今回は彼女のコミカルな歌ではなく、大名曲「もしも僕に」をご紹介。親から子への思いをつづった歌は思わぬ展開を…?NHKみんなのうたへの楽曲提供やフジロック出演など、着実にキャリアを重ねている。

関取花のエッセイ・タイトルは「どすこいな日々」

Rei

ブルース/ロックの世界に舞い降りた若き才能。ギターを極めた女性シンガーソングライター。

先ほどの関取花「もしも僕に」で渋いギターを弾いているのは、おじさんのスタジオミュージシャンではなく、彼女の同年代のシンガーソングライター・Reiである。衝撃的な画の力はまさに唯一無二、日本人として初めて「TED NYC」でライブを行いSXSWを始めとする国外フェスに出演するなど、世界から注目を集める存在である。こんなの出てきたらブルース(※)好きからしたら愛おしくて仕方ないだろうな。※ブルース…米国南部で発生した音楽ジャンル。ギター伴奏が特徴。

自身の名を冠した1stアルバム「REI」、名前をひねらないところも渋い!

藤原さくら

ウクレレをカッコよく弾ける人
スモーキーな低音が心地よい。ブルースやカントリーなど様々なルーツミュージックの持つ民族性をポップスに落とし込む。
低音~中音域を主戦場にしている珍しいシンガーソングライターで、様々なルーツミュージックへの知識も深い。ウクレレ一本でドラムとこれほどのセッションが出来てしまうの、渋くて最高だ。月9ドラマ『ラブソング』では、「Soup」を提供しただけでなく、ヒロイン役として演技にも初挑戦した。
千鳥の人気番組・相席食堂では、ロケで爆笑を生み出した

ポップ・ロックとSSW

シンガーソングライターにとって、ポップスやロックバンド風の音楽と共に世に出ることはどういうことなのだろうか。市場を意識した形で、それでも自分の個性と言えるものを表出する。miwaやYUI、あいみょんもこの分野で名を成したSSWである。しかし同時にYUIは、この分野の音楽と決別するために名を捨て、FLOWER FLOWERというバンドを結成した。そういった複雑な背景を踏まえながら、今回で最もキャッチーな音楽を聴いていただきたい。

坂口有望

15歳の時にリリースした1曲
特徴的な声質と、独創の言葉選びが際立つ早熟の才能

大阪・天王寺出身のシンガーソングライター・坂口有望(さかぐちあみ)。小学4年生から音楽を始めたという早熟の才能がもたらしたのは、15歳とは思えない詩とメロディーのセンス。2021年現在、20歳となった彼女は、人気アニメ「BORUTO」のアニメタイアップなど着実にキャリアを重ねている。

彼女が16歳の時にリリースされた1stアルバム、青春全部入り

佐藤千亜妃

2019年に惜しまれながら活動を休止したバンド・きのこ帝国。作詞作曲を担ってきたヴォーカル・佐藤千亜妃のソロ作。
低音が特徴的なシンガー。きのこ帝国の頃に鳴らしていたオルタナティブでノイジーなサウンドとは一風変わり、ポップなロックのサウンドで提示される彼女の新しい姿が、ドラマ「レンアイ漫画家」の主題歌として配信された。ソロ活動の初期がテクノの巨匠・砂原良徳を招いたものだったことを思えば、これからも様々なジャンルを渡り歩いていくのではないだろうか。彼女のメランコリックともいえる詩的世界と再会できる日を心待ちにしている。

さとうもか

岡山出身のシンガーソングライター。赤裸々ともいえるリアルな歌詞は聴けば聴くほど染み入る。
キャッチーな声質はシンガーソングライターの一つの頂点であるaikoを思い起こさせるが、独特な発音が個性に繋がっている。ライブで一度拝見させていただいたが、MC(曲間のしゃべり)がメチャクチャ面白い。YouTubeでギターを教える企画をやっていたり、岡山でラジオ番組を持っていたり、色々な方面で活躍しているのだが、みんなが彼女を好きになるだろうなという不思議な魅力がある人。

アコギ・クラギが特徴のフォーキーな音楽

フォークソングからの影響。それは多くのシンガーソングライターが受けているのではないだろうか。この項以前にご紹介したカネコアヤノ・藤原さくら・坂口有望らのギター一本での弾き語りは素晴らしいものだ。中島みゆきやあいみょんをはじめとして、このスタイルで作曲・ライブを行っているSSWは多い。どんな音楽が他にあるのか、SSWの原点ともいえるスタイルをぜひチェックしていただきたい。

青葉市子

触れがたいほど淡い歌声が、清純でどこか切ない世界を提示するSSW。

どこか現実感を欠くような、青葉市子という存在を不確かに感じるような。そう思えるほど透明な歌声。妖精のように人を虜にする音楽を作り続けてきた。クラシックギターでの弾き語り1本で、様々なフェスなどに出演出来るのも素晴らしい。

吉澤嘉代子

様々な想像の人物を完璧に演じ分ける様はさながら大女優。多様な世界を声質をコントロールしながら表現するSSW。

バカリズムのドラマ『架空OL日記』の主題歌「月曜日戦争」で注目を集める中、2ndシングル「残ってる」がロングヒット。女子高生のとある場面を切り取った衝撃作である「残ってる」を始めとして、まるで実体験かのように様々な人物の人生を描けるのが彼女の魅力。井上陽水に影響を受けた吉澤嘉代子が作るのは、歌かそれとも文学か。

彼女の作品の中から物語性に注目して集めたコンピ、様々な人物が登場する

YeYe

穏やかな昼下がりを彩る京都在住SSW。柔らかなコーラスワークが心地いい。

YeYe(ィエィエ)、2011年のデビュー作「朝を開けだして、夜をとじるまで」は、作詞作曲だけでなく全ての楽器の演奏まで自身で行った究極のセルフ・プロデュース作。本作がCDショップ大賞ニューブラッド賞を受賞するなど、早い段階で世に注目されたSSW。

安藤明子

シルクの布に包まれるような高音だからこそ、シンプルなメッセージが響く

YeYeと同じく京都在住のSSW。そもそもYouTubeに動画をあまり上げない方なので、ご存じでない人も多いかもしれないが、ぜひサビまで聴いてみてほしい。特徴的な声と緩やかなリズムが、いつの間にか胸の内を満たしている。そんなアーティストだと思う。

柴田聡子

独創的な言葉のチョイスと、難しいリズムを歌い上げる感覚が素晴らしいシンガーソングライター
柴田聡子は北海道・札幌出身のシンガーソングライター。「雑感」という曲で表現されているように、散文的な詞の中に彼女独自の視点を入れ込むことが本当にうまい。この曲は全てのことばがキラーフレーズのように感じられる。頭に浮かんだことをひたすら書き付けたような詞の中では、将来の事、バイクのこと、頼りにしていた人の死、年金へのいらだち、彼女の様々なモノに対する感性がフラットなテンションで埋め込まれている。

分類不能

最後に分類が難しい音楽について、ご紹介できればと思う。これだけの長さの記事を読んでいただいたあなたへの、ボーナスステージ。奇想に個性を発見していただければ、幸いです。

眉村ちあき

トラックや曲が作れるSSW?アイドル?なぜかWikipediaには実業家と書いてあって笑える。多彩な才能が生み出す美メロ&奇想。
何も言わずに一曲通して聴いてみてほしい、メチャクチャにふざけているところと、異常にカッコいいパートが同居する曲だ。この曲を一人で(しかも3日)で作ったという驚きは、確かに「これホンマに眉村さんが作ったの?」と言いたくなるかもしれない。バラエティ番組・ゴッドタンの企画「スナック眉村ちあき」では、その場で芸人の話を聴き、即興で曲を作った上全員を感動させるという技を見せていた。

ゴッドタン内で売れる前の芸人・EXITの話を聞き、即興で作った曲。メロディが良すぎる。

Doul

世界目線の曲を独学の英語で届ける驚異の17歳。

当初から世界を視野に入れているような活動を展開しているDoul。時に現在世界で若者のアイコンとなっているSSW・ビリーアイリッシュとも比較される彼女が、世界に繰り出せていないとも思える日本の音楽シーンをぶち破るカギとなるか。2020年9月デビューながら、すでにAmPmやKan Sano等、日本のシーンを支える音楽家たちと接触しコラボ楽曲をリリースしている。

米国のグランジ・ロックバンドNIRVANAの「All Apologies」をギター1本でカバーしている動画。アンニュイな歌声は、米国のエモラップシーンや上述したビリーアイリッシュらと共に時代の最先端にいる特性ともいえるだろう。今後、益々の躍進が期待されるシンガーソングライターだ。

大森靖子

耳障りの良い言葉を捨てて、魔法を捨てて。たどり着いた独自の音楽性で、リスナーの鼓動を加速させてきたシンガーソングライター。

真実を歌い上げた言葉は劇薬である。ファンに魔法をかけ、夢を見せるのがアイドルだとすれば、彼女はまさしくその正反対の存在で。だからこそ本当の言葉を聞きたいリスナーにとっての、象徴となった。「音楽は魔法ではない」と切り捨てながら、しかし彼女のエネルギーに「音楽の魔法」を感じずにはいられない。

諭吉佳作/men(ユキチカサクメン)

2003年生まれ、歌はもちろん作詞・作曲・編曲から執筆、イラストレーションまでを独自の切り口で展開するマルチクリエイター。

多才。天から多くの才能を与えられた存在。中学生の時点で10代限定コンテスト「未確認フェスティバル」に出場し、審査員特別賞に選ばれた。16歳の時点ででんぱ組.incに2曲の楽曲提供を行った。また同じく中学生の頃からシンガーソングライターとして注目されていた崎山蒼志とのコラボ楽曲は100万回以上再生されている。彼女の持ち味は、圧倒的に自由度の高い(しかしなぜか心地いい)リズムではないかと思う。リアルタイムで追いかけたい才能No.1。

諭吉佳作/men
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中村佳穂(2回目)

ピアノの項目で紹介した中村佳穂、しかしその魅力はジャンルにとらわれない歌の力である。自在に踊る彼女の歌声を、ぜひ聴いてほしい。
民族音楽を新たに作り上げたともいえる、不思議なリズム・拍子・メロディー。細やかなベースと高速のギターの絡みが素晴らしい、途中に挟まる民族パートも含めてジャンルレスの極致である。これほどの新奇な音楽をテクニックと展開でしっかりと盛り上げてくる各人のテクニック。そしてそれをまとめ上げる天才SSW・中村佳穂。間違いなく次は、彼女の時代が来る。

おわりに

これだけの情報量の記事を最後まで読んでいただいてありがとうございます。下部にコメント欄があるので、ぜひ皆さんのオススメシンガーソングライターを記載していってください!マイナーでもメジャーでも、こ自由にどうぞ!

本記事は定期的に更新していくので、ぜひまた遊びに来てください。それでは。

コメント

  1. 道浦 功 より:

    東京中心に活動してるシンガーソングライター 下町ノ夏 (シタマチノナツ)さんお勧めです。
    昭和歌謡的であったり、シティポップな曲を歌ってます。低音ボイスでとても魅力的です。ギターも上手でぜひ1度聴いてみて下さい!

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