ボヘミアン・ラプソディで流れなかったクイーンのオススメ曲

映画『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットによって、クイーンがリアルタイムじゃなかった世代にも人気が出ており、映画のサウンドトラックがオリコン1位を取った。本当に良いバンドなので、本編に出てこなかった曲も聴いてほしい。
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Stone Cold Crazy

まず紹介したいのはクイーンのハード・ロックバンド的側面。フレディの早口でパワフルなヴォーカル、キレのあるコーラス、そしてブライアン・メイ魂のギターソロ。キャッチーな曲をいくつも書いたと思ったら、ロックに寄せることも、ブラック・ミュージックに寄せることも出来る。そんな度量の広さがクイーンの魅力なのです。

ちなみにハード・ロック大好き人間であるブライアン作曲かと思いきや、作曲者として4人の名前がクレジットされているという意外な曲でもある(初期では4人で共作は珍しい)。全員で楽しみながらクイーン流のハード・ロックを再構成していったのだと思うと、微笑ましい。

One Vision

映画でもあったように彼らはある時から作曲者を個々の名前ではなく、クイーンとクレジットするようになる。4人で作った「Stone Cold Crazy」と違い、誰かが作った曲を4人の共作ということにするわけだ(後期には4人で作ることも多かったそうだが)。その試みが初めて見られるのが「One Vision」で、実際にはロジャー・テイラーが作った曲だ。

仲の良さが表れ、まさに「家族」なMVに乗せられるのは平和への祈り。戦争も悲しみも黒も白も乗り越えて、世界はいつか一つになれるという詞はなぜかフライドチキンによって締められる(!?)フレディにとって最後のツアーとなったマジック・ツアーで、オープニング・ナンバーに選ばれた。

I Want It All

クイーンのハード・ロック節と代名詞である重層なコーラスが組み合わさった楽曲。ヘヴィ・メタル風ギターソロや中盤のブライアン・メイとフレディが交互にヴォーカルを取るパートが熱い。マジック・ツアーより後に書かれているためライブ映えする曲ながら、フレディがライブで「I Want It All」を歌うことは無かった。

ちなみにアルバム『Miracle』収録verでは、よりヘヴィ・メタル寄りになった「I Want It All」が聴ける。このアルバムを収録した際にフレディは自身がエイズであることを告白し、ジャケットはバラバラになりかけていた4人の再起を表現していると言われている。

I Was Born To Love You

フレディのソロで最も有名な曲。日本でもカップヌードルのCMで使われていたのでご存知の方も多いだろう。1985年、ソロでこの曲がリリースされる。1991年、フレディが死去する。そして1995年

フレディの死後に出されたアルバム『メイド・イン・ヘヴン』にて、フレディのヴォーカルがクイーンサウンドで蘇った。3人で原曲を大きくアレンジし作り上げたこの音源では、まるでフレディが生きているような、クイーンらしさのある楽曲に仕上がっている。

フレディが死の直前に残した音源や、過去の没音源を再構成し、残されたメンバーがオーバーダビングすることで完成させたこのアルバムは、クイーンのアルバムとして最大のヒット作となった。フレディは死後、世界に自分の生きた証を突き立てたのである。

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Bicycle Race

クイーンらしい複雑なコーラスワークや躍動感のある曲展開が、自転車に乗る楽しさを思い出させてくれる。映画で使われることは無かったが、パーティーの場面でなぜか自転車に乗っていた女性たちがいたのは、このMVのパロディだろう。それにしても3分間とは思えない重厚感と目まぐるしさだ。

Seven Seas Of Rhye

この曲は劇中で流れていたが、なぜかサントラ未収録だったのでご紹介。最初のレコーディングの場面で録られていた曲で、ハイトーンすぎるコーラスが素晴らしい。尖ったヴォーカルやギターのエフェクト、ハードロック調ながら楽しげな曲調、そしてフレディの頭から生み出されたファンタジー色の強い歌詞から見ても、クイーンにしか生み出せない楽曲だ。

You’re My Best Friend

ジョン・ディーコン作曲、彼らしい優しさが溢れている楽曲だ。サウンドの要となっている電子ピアノは、グランド・ピアノが大好きなフレディに演奏を拒否されたため、ディーコン自身が演奏している。そしてピアノのつたなさが、「You’re My Best Friend」に彼の色を付けている

Staying Power

ブラック・ミュージックに傾倒し、ファンクやディスコの影響が強くみられる不人気アルバム「ホット・スペース」のオープニング・ナンバー。どうしてこれが流行らなかったのか分からないくらい面白い音だ。劇中で披露された「Another One Bites the Dust」のように、フレディの声はブラックミュージックと相性が良い。また普段メロディアスな曲を書いている人たちとは思えないほど、リズム楽器としてトランペットやサックスを使っているのが面白い。

Cool Cat

同じく『ホット・スペース』から。フレディが全編裏声で歌うという実験的な試みが見られる。ディーコンがベースを叩くように弾くスラップ奏法を試みているのも面白い。しかしハードロック大好きブライアン・メイは気分が乗らなかったようで、ギターのレコーディングもディーコンが行っている。このアルバムが不人気な理由は、全体的にブライアン・メイの色が薄いからだろう。彼失くしてクイーンは成立しないのだ。

Innuendo

クイーンを象徴するのがこの楽曲だ。フレディ存命中の最後のアルバム『Innuendo』のタイトル曲である。「ボヘミアン・ラプソディ」をも超える6:30のシングル曲で、初の試みとしてプログレッシブバンド・イエスのギタリストであるスティーヴ・ハウがフラメンコギターで参加している。フレディは死の直前まで進化をやめなかったのである

teotorriatte

クイーンの実験性・多様性を示す楽曲。親日家のフレディらしくサビで日本語が歌われている。耳が良いのだろう、ちゃんと日本語が上手い。そしてネタ曲ではなく、感動する曲になっているのも素晴らしい。ちなみに作詞・作曲はブライアン・メイで、来日時に通訳を担当していた方に英詞の翻訳を依頼し完成させた。ジョン・ディーコンが日本食好きだったりして、日本との縁が深いバンドだ。

Too Much Love Will Kill You


ラストにこの曲を紹介させて頂きたい。早くにレコーディングされていながらも発表の機会を逃し、始めて演奏されたのが1992年のフレディ・マーキュリー追悼コンサートとなってしまった名バラードだ。大きすぎる愛が身を滅ぼすという歌詞は、91年にこの世から姿を消したフレディとどこか重なっていく。92年にコンサートで初披露されブライアン・メイがヴォーカルを取るソロ曲としてリリースされた後、95年『メイド・イン・ヘヴン』にフレディverの「Too Much Love Will Kill You」が収録されていた時のファンの衝撃を、追体験してほしい。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。もしよかったら下部のコメント欄に、あなたのクイーンへの愛をぶつけていってください。それでは。

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