【邦楽】2020年公開のアニメーションMV、面白アイデア傑作選

ヒット作を多数生み出しているアニメーションMVの世界に産み落とされた、2020年の傑作・奇作の数々をご紹介。
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アニメMVの重要性が増している

ヨルシカ・YOASOBI・コレサワ・ずっと真夜中でいいのに。といったこの数年で人気を博してきたミュージシャンたちには、共通点がある。アニメーションを使ったMVに力を入れているのだ。ヨルシカ「花に亡霊」のMVをぜひご覧になっていただきたい。

まるでショート・ムービーを見たかのような味わいの映像は、一つのアニメ作品としてテレビで放映されていても違和感がないほどである。アニメMVの持つキャッチーさや表現の多様さは、令和二年現在、複雑に音楽と絡み合いヒット作を生み出している。

コロナウイルスの影響下でより一層MVの重要性が注目される2020年にリリースされたアニメMVの中で、これはと思うものをピックアップしてご紹介したい。

ヨルシカ/思想犯

ストーリー性の高いアニメMVで人気を博しているヨルシカが2020年6月に公開したのが、この”規格外”のMVだ。極端に横長に設定された比率は、パノラマ写真を見ているような不思議さを持ち、ヨルシカの特徴である美しい日本語のうねりとマッチする。盗作とオマージュの狭間で揺れ動き、オリジナルになれない表現者の孤独を歌う「思想犯」の詞と映像。そのMVがどこにもない規格で作られているなんて、オツじゃないでしょうか。

彼女たちの3枚目のアルバムタイトルは『盗作』。初回盤には約130Pの小説「盗作」が含まれる。

PEOPLE 1/常夜燈

メンバー構成も人数も一切明かされていない存在ながら、MVの総再生回数が100万回を超えたPEOPLE 1が7月に公開した新Music Video。スマホの画面に合わせた縦横比になっているため(スマホで見ている方はぜひ全画面表示に!)、スマホで見た時の感覚はTikTokやInstagramのストーリーを見ている時に近い。長尺で踊り続ける女の子のかわいらしさが、グッドメロディーとあいまって…より一層PEOPLE 1 が何者なのか気になってくる。

やくしまるえつこ/アンノウン・ワールドマップ

ささやくような歌声で独自の地位を築き上げたやくしまるえつこ(相対性理論 Vo.)のソロ曲。アニメ『ハイスコアガールII』のEDに起用された。同作を書いたマンガ家・押切蓮介とやくしまるえつこ自身が書いたアートワークをもとに、360°Music Video(PC:左上の矢印キーで操作/スマホ:画面の傾きで操作)が公開されている。

上下左右前後で色々なことが起こるため、見返すたびに発見がある。1:10~あたりで宇宙空間が生活感のある街並みの風景に切り替わるところが最高。

神山羊/シュガーハイウェイ

ドット絵のMusic Videoは数多くあるが、ここまで細やかに表現して見せたものは初めてではないだろうか。2014年にサイバー空間の片隅で活動を開始し、Tik Tokでのバズを経験したこともあるネット時代の寵児とも言うべきシンガーソングライター・神山羊が繰り出したサイバーパンク風のMVだ。

「feat.CARS」という車をモチーフにした楽曲をMV化するプロジェクトの一環として作成されたため、協賛企業であるTOYOTAのCMのようになっている箇所があるのも面白い。

悒うつぼ/幽栖

情報がほとんど公開されていないミュージシャン・悒うつぼ(ゆううつぼ)は、MVで人の代わりにこの黒いキャラクターを複数作に渡り出演させてきた。生活音を切り取ったようなトラックの上で、孤独な彼の暮らしが描かれる。人の姿で描いてしまうと、あまりにもリアルになりすぎるからこそ、こういった表現が取られているのだろうか。

あらゐけいいち/絵描きうた

マンガ『日常』で人気を博した漫画家・あらゐけいいちによる手書き&オリジナル作詞のMV。漫画家としての多忙な生き方を歌ったような切ないフォークソングは、早回しされたようなチープな歌とギターに哀愁を宿らせる。繰り返されるオリジナルな「マンガ的表現」は、現代の表現を手塚治虫や藤子不二雄らが発明してきた歴史を思わせて面白い。

京都アニメーションが制作したシュールギャグの金字塔『日常』のアニメ版(シーズン1)は、アマゾン・プライムにて公開中。

高井息吹/瞼

シンガーソングライター・高井息吹の「瞼」は君島大空やKing Gnuの新井和輝らと共同制作された1曲だ。King Gnuの「傘」のアニメMVを監督したユージンによる、心地の良い優しさの中に様々な寓意や悲しみが隠されているような絵本風の映像。色使いと時折見せる生々しさを見てほしい。

ドミコ/化けよ

サイケデリックなドミコの音像を視覚化するのは、作家・水江未来による手書きの細胞アニメーション。細胞の分化を思わせる混沌と生命力に満ちた表現から、力強さが生まれている。独特な(聴いたことのない!)魅力を湛える2ピースバンド・ドミコの姿と重なる後半のシーン、胸の昂りを抑えきれなくなる。音の持つ力を見事に映像化し、補完している。

Sano ibuki/Jewelry

シンガーソングライター・sano ibukiが5月に公開した「Jewelry」MVでは、同曲のリズムの面白さを歌詞を用いたタイプフェイスアニメーションを得意とする畳谷 哲也が制作。抽象表現と文字表現を組み合わせて歌詞を伝える映像はいくつかあるが、こういったスピード感を持ったものは珍しい。万華鏡を見ているようで心地いい作品だ。

緑黄色社会/Mela!

緑黄色社会、通称”リョクシャカ”。全国ツアーを敢行した際には即完売になったほどの、着実に人気を積み上げている4人組ポップバンドだ。このMVの特徴は8人のクリエイターによって制作されたことだ(すとレ / OKAWARI / wataboku / オートモアイ / 有吉達宏 / さゆり / しまざきジョゼ / パントビスコ / CALF)。多様な映像の中で、常に悪役として描かれてきた狼を主軸に据えた物語が描かれる。

おわりに

2020年アニメーションMVの群雄割拠ぶりをご覧いただけただろうか。今回のリサーチの中で今年公開された100以上のアニメーションMusic Videoを観たと思う。シュール系や実写と融合系、曲と別にストーリーが進行する系など、様々なパターンで多数の作品が産み落とされていた。

今後さらに重要度が増し、大手音楽レーベルによって力が入れられていくであろうアニメーションMVの世界。今後も傑作を見つけ次第このページに追加していく所存なので、ぜひご覧ください。

おススメのアニメMVについて、下のコメント欄に記載していっていただけると喜びます。よろしくお願いします。

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