中村佳穂『AINOU』レコ発1日目@京都磔磔、音源をライブで昇華

中村佳穂が12/4の京都磔磔でのライブを皮切りに、3会場4公演のレコ発ツアーを行う。この記事ではその初日である京都公演の様子をライブレポートする。
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京都は今日も雨だった

今回のイベントの舞台となった京都磔磔は、築101年の酒蔵を改装して作られた歴史あるライブハウス。これまでの44年の営業で多くのミュージシャンが育ち、巣立って、そして時折顔を見せる老舗だ。11/7に大反響の2ndアルバム『AINOU』をリリースしたばかりの中村佳穂は、このライブハウスが見届けてきた音楽家たちと同様に、人生の新たな局面へと歩を進めようとしていた。

SOLD OUTした磔磔の200人を超える観客を前に、5分超のアドリブからライブは始まった。『AINOU』が生まれるまでの経緯を歌心に乗せる彼女を、観客の歓声が包み込む。1曲目はこれまで彼女を支えてきたキラーチューン「POiNT」だ。彼女を支え、共に曲を再構成していくのは、ここまでアルバムを作り上げてきた面々。


上段左からMASAHIRO KITAGAWA[Cho./Beat-make]、荒木正比呂[Syn.]、深谷雄一[Dr.]下段は中村佳穂[Vo./Key.]、西田修大[Gt.]。「POiNT」で遺憾なく発揮されたチームワークは拍手喝采を呼び、次曲「GUM」へと繋がっていく。西田の特徴であるギターの範疇を超えたサウンドとフレーズには独特の存在感があり、特にメインテーマをMASAHIRO KITAGAWAの声とユニゾンで演奏するアレンジが、場を盛り上げた。

MCでは様々な人の意見を取り入れてアルバムを作ったと語る中村。とある人のアドバイスに従って作ったというネイティブ関西弁の楽曲「FoolFor日記」を、大胆なライブアレンジで披露。そして4曲目「永い言い訳」で音源を深化させたような数多くの声の表現を見せ、『AINOU』の新たな一面を見せた。5曲目「get back」ではMASAHIRO KITAGAWAのディープなビートを見事に再生産する荒木と深谷の技量に驚かされた。エレクトロニカのバンド・レミ街でも活躍する二人が、培ってきたチームワーク。そしてビートを作った本人による、渋すぎるコーラス・ソロ。中村佳穂バンドの引き出しの多さを見せつけた。

磔磔の外に降る雨は6曲目「アイアム主人公」の歌詞とマッチ。雨に言及しつつアドリブで曲を始めた中村は、天候さえも味方につけて会場を盛り上げる。7曲目「SHE’S GONE」で荒木が披露した浮遊感のあるシンセ・ソロと、8曲目「You may they」での深谷の激情的なドラム・ソロ。全員に見どころが用意されていた。この2曲のライブでの変わりようも面白い。今回見せているのは『AINOU』の新境地なのだ。

MCで「原点に立ち返る」と述べた中村は、ステージにスペシャルゲストを呼ぶ。彼女が生まれて初めてバンド演奏をした時のメンバー、松ノ葉楽団などで活躍するケンケン[バリトン・サックス]が登場した。そして二人で中村佳穂の最初期の楽曲である「聴いて見る」を演奏。サックス・ソロの深い包容力が胸を打つ。

観客に自由に歌ってほしいと言いながら「忘れっぽい天使」「そのいのち」を演奏する中村佳穂。ケンケンも交えての演奏により、磔磔の一体感は高まっていった。そして演者の呼吸までシンクロするような鋭いキメが連続するラスト12曲目「きっとね!」。この時、会場は一つの生命になった。

アンコールはタイトル曲「AINOU」が新たな生命を与えられて演奏。そして最後にもう一曲、これは彼女のライブを心待ちにしている方々のためにも秘密にしておこう。『AINOU』全曲と彼女を支えてきたこれまでの楽曲を聴ける、良いライブだった。

1曲ごとに大歓声があがる様を見ていると、彼女はいよいよ有名税を払う側になってきたのだなという感じがした。

レコ発はソールド…でも?

名古屋 TOKUZO、下北沢 440、下北沢 club 251でレコ発ツアーを予定している彼女。しかし今の勢いを象徴するように、全てがソールドアウトしている。しかしなんと、本日大きなライブの予定が発表された。

GRAPEVINEのオープニングアクト

なんと結成25年目の大ベテランであるGRAPEVINEのニューアルバム『ALL THE LIGHT』リリースツアーに、中村佳穂がオープニングアクトとして帯同することが決まったのだ。これまでと比べても格段に大きい会場に声を響かせることになる。

  • 2019年2月21日(木)愛知 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2019年2月22日(金)大阪 心斎橋BIGCAT
  • 2019年3月1日  (金)東京 赤坂BLITZ

12/14の10:00より、オフィシャル先行が行われるので要チェックだ。チケットの料金は\4,320。一般発売は1/26から。大きい会場とはいえ、GRAPEVINEの人気はかなりのものなので、チケットの確保はお早めに。それでは。

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