「ハナミズキ」歌詞の意味が怖い?その詞には、9.11テロ事件への想いが込められていた

母の日に「ハナミズキ」の歌詞をGoogleで調べようと思ったんですよ。そしたら、

ひどい言われようだったんですよ。「怖い」とか「意味不明」とか。でも確かにそうですよね。この歌詞わかりにくいし、確かに怖いと言えなくもないんですよね。

今回は「ハナミズキ」の名誉回復のために、解釈を書いてみることにしました。

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「ハナミズキ」の背景

一青窈「ハナミズキ」 他者の幸せ、祈りが昇華 きっかけは9.11
歌手で作詞家の一青窈(ひとと・よう)(38)が、代表曲「ハナミズキ」(平成16年発売)を初めてセルフカバーした。この曲は、大手カラオケメーカーの年間チャートで1…

産経ニュースがこのように報じている通り、一青窈は9.11を受けて「ハナミズキ」を書いたそうです。飛行機4機がアメリカに降り注いだ、史上最悪のテロ事件。あの日、誰もが悲嘆に暮れました。

結論を簡潔に言うと、「ハナミズキ」はテロで死んだ母から息子へ贈られる歌なのです。それでは解釈していきましょう。

テロ被害者と平和への祈り

空を押し上げて
手を伸ばす君
五月のこと
どうか来てほしい
水際まで来てほしい

引用:ハナミズキ/作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ

ハナミズキは花をつける木で5月が見頃です。

1912年に日本からアメリカへ桜を贈った際、そのお返しとしてハナミズキが贈られてきたそうです。この時贈った桜は、今でもアメリカの観光名所になっていて、日本とアメリカの友好の証になっています。

この事からハナミズキの花言葉に「返礼」が加わりました。一青窈がテロの映像を見て作った曲なので、この曲もアメリカへの「返礼」と言えるでしょう。

ハナミズキ=君

冒頭でハナミズキが「君」に例えられています。この「君」とは、息子のことなのでしょう。これは後に「母の日」という言葉が出てくることからわかります。

死のイメージ

この歌詞にはさりげなく死のイメージが織り交ぜられています。それが「水際」という単語です。

日本ではあの世のことを彼岸(ひがん)と言いますが、これは「向こう側の岸」を指す言葉です。ちなみにこの世は此岸(しがん)と書いて、「こちら側の岸」という意味になります。そしてあの世とこの世の間には三途の川が流れているということになっているのです。

その岸までやってきて、どうか姿を見せてほしい。でもこちら側には来ないで欲しい。死んだ母から息子への切実な想いが語られているのです。

死後に川を渡るという考えは日本的なように感じます。しかしギリシャ神話を始めとして、死後に川を渡ることになっているお話は数多く見られます。人類に共通する死の感覚なのかもしれません。

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単なる恋の歌ではなかった

つぼみをあげよう
庭のハナミズキ

薄紅色の可愛い君のね
果てない夢がちゃんと
終わりますように
君と好きな人が
百年続きますように

引用:ハナミズキ/作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ

このサビは、好きな人と君の幸せを願うものなので、結婚式でよく歌われていますよね。

でも一青窈がこの曲に平和への祈りを込めたことを考えれば、そのニュアンスが変わってきます。

「果てない夢」は恋に使うには大げさな言葉ですよね。これはテロによって起こった憎しみの連鎖、その終わりを願う夢なのです。ハナミズキに例えられる「君」は、テロで母親を亡くしているのです。その根絶を願うようになったのでしょう。

その結果訪れた平和な世の中で、初めて「君と好きな人」は長く暮らしていけるのです。

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ハナミズキのもう一つの花言葉

ハナミズキのもう一つの花言葉は「永続性」です。一青窈はこの木に、永遠に続く平和への祈りを込めたのでしょう。

その平和の花が咲くためには、蕾をつけなければなりません。その蕾とは、テロを受けて広がっていく平和への祈りなのです。

譲り合いのイメージ

夏は暑過ぎて
僕から気持ちは重すぎて
一緒にわたるには
きっと船が沈んじゃう
どうぞゆきなさい
お先にゆきなさい

引用:ハナミズキ/作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ

9.11が起こったあの夏。複雑な思いを抱え、多くの人が死んでいきました。

船のイメージは、命を懸けた譲り合いについて書いているのです。映画『タイタニック』や『ダンケルク』を思い出されるとわかりやすいのですが、人が船に乗り切れないとき、取り残された側は死のリスクに晒されます。

それでも息子である「君と好きな人」を優先的に乗せてあげるような、未来への希望を繋げていく気持ちがあれば、きっと世界からテロは無くなる。そういう想いが込められた歌詞なのです。

映画『タイタニック』ではパニックの中で誰が救命ボートに乗るか、争いになっていました。しかし実際のタイタニック号沈没事件では、女性や子供を優先的に救命ボートに乗せて、男たちは死の覚悟を決めていたそうですよ。

ここで使われているのは、そういった譲り合いのイメージなのです。

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平和への祈り

僕の我慢がいつか実を結び
果てない波がちゃんと
止まりますように
君とすきな人が
百年続きますように

引用:ハナミズキ/作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ

未来へと繋がっていく誰かの犠牲。それ無くして世界に平和は訪れません。

今世界には、復讐の波が広がっています。誰かが誰かを傷つけて、その復讐で誰かがまた誰かを殺して、あの国では未だに戦争が続いていて…。

誰かがこの復讐の連鎖を止めないと、百年恋人たちが暮らせるような平和は続かないのです。このテロの連鎖と報復を「果てない波」に例えているのです。

思いやりで世の中が満たせたら…という一青窈の儚い想いが、2回目のサビに綴られています。

母から息子へ

ひらり蝶々を
追いかけて白い帆を揚げて
母の日になれば
ミズキの葉、贈って下さい
待たなくてもいいよ
知らなくてもいいよ

引用:ハナミズキ/作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ

白は平和のイメージですよね。そしてここで出てくる「母の日」という言葉なのですが、死んだ母から息子への言葉だと考えればしっくりきませんか?

ハナミズキが「永遠に続く平和」のイメージで使われていることを思えば、母の犠牲と息子の祈りで、平和になっていく世の中が見えてきますよね。

なぜ葉なのか

ここで注目したいのは、なぜ「花」ではなく「葉」なのかということです。

花はいつか実に変わるので、「平和」の例えであるとわかります。

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しかしその「平和」が実るためには、葉が栄養を作りださなければいけませんよね。一つ一つが作るエネルギーは小さいけど、たくさん集まれば花を咲かせ、実りをもたらします。

平和への一人一人の祈りが、「葉」に例えられているのです。「葉」がたくさんあって初めて、実がつくのですから。祈りなくして平和は訪れません。

おわりに

確かに死者からのメッセージだと考えれば、怖い歌に聴こえるかもしれません。でもそこには深い平和への祈りが込められていたのです。

一青窈の想いが、すこしでも皆様に伝わっていたら幸いです。それでは。

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