あいみょんがandymoriファン
今を時めくカリスマシンガーソングライター・あいみょん。彼女がandymoriのファンだというのはこの曲がリリースされるまで知らなかったが、かなり小山田壮平の世界を表現出来ている。ここまで素直にリスペクトを語れるのって、なんか良いですよね。
2000年代に思春期過ごした僕らの世代にとって、andymoriは青春そのものなんだけど、どうやらあいみょんのファン層にとっては未知なバンド。それもそのはずで、彼らは2014年に解散しているのだ。しかし菅田将暉や多くのミュージシャンが影響を語る彼らを、音楽好きとして見逃しておくのはもったいない。ぜひともandymoriとの初対面を果たしていってほしい。というわけでいくつかオススメ曲を紹介する。
すごい速さ
皆さん、これがandymoriです。生活感と焦燥。やらなきゃいけない、でも何を?わからないけど走る。全国のバンドマンの、そして何者かになりたい人たちの、心を支え続けてきた曲。時間は待ってくれない。人生の夏はすぐに終わってしまう。走れ若者よ。
革命
何かをやらなければ、革命を起こさなければ。「革命」はandymoriの代表曲であり、3rdアルバムのタイトル曲だった。若者を誘うファンファーレは、作詞作曲を担うVo.小山田壮平の心の中で鳴り続けてきた。その音に引っ張られて、多くのロック・リスナーが言いようのない焦燥に駆られ、ギターを手に取ってきた。これは邦ロックの大きな歴史の1ページだ。
1984
ファンファーレを共有するのが、2ndアルバム収録の「1984」。アルバムタイトルは『ファンファーレと熱狂』だった。1984は小山田壮平が生まれた年。半生を振り返りながら、ロストジェネレーションと呼ばれた自分たちの共有するノスタルジーを綴る。
everything is guitar
andymoriの原型はなにか、ちょっと洋楽を聴く人なら分かるだろう。イギリスが生んだロックバンド、ザ・リバティーンズである。この「everything is guitar」は特にその影響が表れているロックンロール色の強い楽曲だ。名刺代わりのMV、衝動を感じる。
彼らより少し後にgo!go!vanillasというバンドが表れた。同じくリバティーンズの強い影響下にあるために、andymoriとvanillasはサウンド面でかなり近い要素を持っている。
CITY LIGHTS
緩慢なギターは生き急ぐようなドラムの打撃へとバトンを渡す。ロックの熱に浮かされた
狂騒が、どれだけ多くの少年少女の心に刻まれてきただろう。宇宙の果てまで加速していくような楽曲は、3ピースでないと出せないシンプルな魅力を見せつけている。
ベンガルトラとウィスキー
リバティーンズに影響を受けた早口でがなり立てるスタイル。オルタナティブなギターの音色が孕むやるせない衝動。andymoriは2014年、日本武道館でその歴史に幕を閉じた。そのラストライブの1曲目の映像がこれだ。あいみょんが「夢追いベンガル」で力を借りたベンガルトラは、2008年に発表された1stEP収録の「ベンガルトラとウィスキー」の彼だろう。
ベースマン
ロックバンドらしからぬ凝ったベースラインが光る楽曲。全てのバンドマンと大学生に捧げられたような詞は、僕らを狭くて汚いライブハウスへと誘う。遅すぎた青春、鍵のかかった学生会館。そんな場所からこそ、面白い音楽は生まれるのだ。
愛してやまない音楽を
andymoriを聴いていると、音楽っていいなと素直に思える。3人で生み出すロックへの愛と焦燥が満ちた世界は、2000年代後半の邦ロックに金字塔を打ち立てた。愛してやまない音楽を聴き続ける宿命にある僕たちは、どれだけ新譜を追いかけても、この場所へ戻ってきてしまうのだろう。
おわりに
andymori解散後、小山田壮平はALというバンドのメンバーとして音楽活動を続け、弾き語りライブも精力的に行っている。
あの日彼らが放った焦燥と衝動は、形を変えて今も生まれ続けている。小山田壮平はまた何かをしでかすはずだ。その日を楽しみに待ちたい。
下部にコメント欄があります。みなさんのandymoriへの愛を書いていただけると嬉しいです。それでは。
コメント
さすがに最近はandymoriの名前が出ることが少なくなってきましたが、本当に良いバンドですよね!
小山田壮平にはカリスマ性を持った人間特有の危うさや儚さのようなものを感じるのですが、それがまた魅力なのかもしれません。
よい記事をありがとうございました!
私は飛び降りのニュースで騒がれた時に曲を知って好きになったので当時の活動を実際に見ていた訳ではないけど、本当〜〜に好きなバンドです。記事にも出ている革命やeverything is my guitarでは青春の衝動が胸を掴んで離さないです。でも壮平さんはその若さで突っ走ってウェイウェイして終わるような人じゃなかった。突っ走る中で変わっていったもの、変わらなかったものについても言葉にして曲を作ってくれる。だからこそどこか切なくて愛おしいのでしょう。人間らしさがあると思います。結局売上や知名度などで言えば頂点にはいかなかったandymoriだけど、初期衝動に溢れたファーストアルバムから悟ったようなラストアルバムまでを通して自分や誰かの強さも弱さも全部ひっくるめて愛しなさいと言ってくれているような優しさを感じます。
大好きな人に勧められてペンガルトラとウィスキーを聞いたのがきっかけで大好きになりました。
こんなバンドがいたということを考えると、そのころに戻ってライブを見てみたかったという思いもありますがAndymoriの楽曲を聞いていると自分自身のこれからが輝くように思えます。
一般に賞賛されなくとも最高なバンドだと思います。