ほぼミュージシャンな芸人たちの、音楽モノマネが感動する

芸人たちが魅せるハイクオリティでマニアックな音楽モノマネをご紹介。男女を演じ分けられる芸人から、体でEDMを表現するクオリティの高い音楽ネタまで。
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米津玄師のモノマネが炎上

音楽モノマネといえば、先日コロッケが米津玄師のモノマネを披露し、ファンから叩かれたことは記憶に新しい。筆者としてはこのモノマネもクオリティが高いと思うのだが、米津玄師のキャラクターを考えれば、やる前から炎上することは読めていただろう。

もしかするとこの事件でモノマネを嫌いになってしまった人もいるかもしれない。しかし音楽モノマネの根底には高いスキルがあり、音楽好きの方も楽しめるネタが多くある。ぜひ一度、モノマネ芸人たちの、音楽家としての側面に注目しながら、ネタ動画を見てほしい。

山下達郎(ポセイドン石川)

山下達郎のモノマネ一本だという稀有な芸人(ミュージシャン?)、ポセイドン・石川。米津玄師の「Lemon」やDA PUMPの「U.S.A.」テツandトモ「なんでだろう」を披露している。そもそもミュージシャンなので、生演奏でお洒落にアレンジするスキルがあるのも熱い。

電子音の大半を声でカバーすることで、山下達郎が得意とするドゥーワップ風のスキャットを取り入れたモノマネ。アイデアも面白いしちゃんと似ているのが良い。

特に「あんたがたどこさ」のモノマネは、ドライブ中に流したくなる程の良質なアレンジがなされている。山下達郎の声質も完ぺきに真似出来ている。

矢野顕子×忌野清志郎(エハラマサヒロ)

矢野顕子と忌野清志郎による名曲「ひとつだけ」。『セブンルール』というドキュメンタリー番組のOPに起用され注目を集めている楽曲だが、ご存じでない方はまず上記の原曲を聴いてみてほしい。

モノマネ芸人・エハラマサヒロは忌野清志郎と矢野顕子という特徴的な声の両名を、見事に演じ分けている。特に清志郎パートのクオリティの高さ。まるで彼が帰ってきたのようだ。

年末のゴールデンタイムに放送された特番の一幕。清志郎の死からは8年が経過していた。その中で「デイ・ドリーム・ビリーバー」でも「雨上がりの夜空に」でもなく、知るひとぞ知る名曲である「ひとつだけ」を歌うエハラ。愛と尊敬を感じる。

矢野顕子(清水ミチコ)

https://www.youtube.com/watch?v=e6QR66Vlnwk

矢野顕子のモノマネの第一人者は、清水ミチコである。共にピアノを弾き「ひとつだけ」を歌う動画、本人の前で緊張のためかテンポが速くなってしまう清水。それを優しく包み込むように、緩やかなテンポで合流する矢野。涙腺がゆるくなってしまうようなコラボ映像である。

映画『ナニワ・サリバン・ショー』でも、矢野顕子本人とそのモノマネをする清水ミチコがコラボ。幾度もコラボが可能なのは、清水の心に矢野への深い尊敬があるからだと思う。

スピッツ(清水ミチコ)

清水ミチコは芸人でありながら同時に、ミュージシャンである。彼女が作ったスピッツ風の楽曲(スピッツにこんな曲は無い)は、草野マサムネ本人の公認を受けている。スピッツが武道館で公演を行った際に、本人がカバーしたこともある。

DREAMS COME TRUEのようなハイレベルな編曲がなされた楽曲も、高精度な分析によって自分のものにしている。声が似ているという観点とは別の方向からモノマネが出来るという、すごい芸人なのである。

長渕剛×桑田佳祐(マキタスポーツ)

マキタスポーツも編曲を得意とするモノマネ芸人として知られている。長渕剛「乾杯」と桑田佳祐「いとしのエリー」を感動的なほど自然にミックスしており、しかもどちらも似ている。そして仲が悪いと言われている長渕剛と桑田佳祐を無理やりコラボさせるという、ある意味危険なネタであることも面白い。

B.B.クイーンズ(ノブとカカズ)

もはや本人にしか見えないが、ノブとカカズというモノマネユニットが「おどるポンポコリン」のモノマネを披露している。近藤房之介(左)の声を完全にコピーしているが、ここまでくるともうただただ歌が上手いおじさんなのでは。

ちなみに本家の演奏がこちら、多くの人が気づいていないことだが、「おどるポンポコリン」で近藤房之介がこなしている男声パートはめちゃくちゃ難しい。なぜなら彼は、日本のブルース界の第一人者なのである。

ソロで演奏している動画を貼っておこう。これをモノマネ出来てしまうノブとカカズ、いったい何者?

EDMのマネ(アイロンヘッド)

アイロンヘッドというコンビは漫才・コントなど、なんでもこなす万能の芸人である。父親がピアニストだという辻井(右)の作り上げる歌ネタは、いわゆる芸人の歌ネタと一線を画す高いクオリティだ。ストンプ(=バケツなどを叩くリズム劇)のような前半から、EDMの声マネをする後半まで、楽器は出てこなくともその音楽的素養が一目瞭然である。

おわりに

彼らはミュージシャンなのか、それとも芸人なのか。音楽好きが楽しめるようなネタの数々を見ると、笑いという観点で曲を編曲している音楽家なのではないか。

ネタがマニアックなだけあって、もしかするとテレビで大きく売れることはないのかもしれない。しかし音楽好きのファンが彼らを愛する限り、彼らの居場所はあり続けるだろう。そして後進も続いていくはずだ。

ミュージシャンのライブだけでなく、気が向いたら彼らのライブにも足を運んでみてほしい。それでは。

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