ザ・ブルーハーツは「リンダリンダ」「TRAIN-TRAIN」などのヒット曲で知られる日本パンク界の巨塔です。ヒロトとマーシー、二人の偉大なクリエイターによって書かれた詩は、その強いメッセージ性や文学性から評価されてきました。
しかし彼らの音楽性はブルーハーツ後期から大きく変化し、その後のハイロウズ、そして現在のクロマニヨンズに繋がっていきました。この記事では歌詞の比較によって、どのように変化したのかを探ってみたいと思います。
ヒロトの歌詞
ザ・ブルーハーツのフロントマンにして、ザ・ハイロウズ、ザ・クロマニヨンズを引っ張るヴォーカリスト、甲本ヒロト。彼の書く歌詞は非常にストレートです。
ドブネズミみたいに美しくなりたい
写真には写らない美しさがあるから引用:リンダリンダ/作詞作曲:甲本ヒロト
代表曲はやはり「リンダリンダ」でしょう。共感できるかはともかく、彼の主張は分かりやすいですよね。
ザ・ブルーハーツ後期
ブルーハーツのラストシングル「夕暮れ」です。
はっきりさせなくていい
あやふやなままでいい
僕たちはなんとなく幸せになるんだ引用:夕暮れ/作詞作曲:甲本ヒロト
分かりやすい言葉と素敵な世界。シンプルイズベストこそ、この頃のヒロトの信条だったのかもしれません。ここで注目したいのは、強いメッセージ性をすでに含んでいないという所でしょうか。
80年代に出された『THE BLUE HEARTS』『YOUNG AND PRETTY』『TRAIN-TRAIN』、これらのアルバムを前期三部作と呼び、ブルースの影響を受けた強いメッセージや、原発や戦争へ強く反対する歌詞が特徴的です。
それに対し90年代に出されたそれ以降のアルバムでは、メッセージ性よりも日本語の美しさや、微妙な情感を歌っていく方向へと変わります。ただしラストアルバム『PAN』にも「ヒューストン・ブルース」のように、ふと前期の尖っていた甲本ヒロトを思い出すフレーズがあったりして、一概には言えません。
『PAN』のいざこざ
ちなみにラストアルバムは、THE BLUE HEARTS史上もっとも苦い思い出を生んだアルバムとなりました。ベースの河口が幸福の科学へ傾倒したことが、バンドの解散の理由なのですが、このアルバムは解散決定後に作られているのです。
過剰に宗教色の強い歌詞を書いてくる河口とメンバーの対立は激しく、そうして湧いてきた神への疑念が先ほどの「ヒューストン・ブルース」に表れているようです。リリース後にも河口が同曲の歌詞について批判を込めたメッセージを雑誌に寄稿するなど、かなりのいざこざの中で、彼らはその歴史に幕を閉じました。
そして甲本ヒロトは、ブルーハーツのギタリストであった真島昌利、通称マーシーと共に、ザ・ハイロウズという新しいバンドを組むのでした。
ザ・ハイロウズ
ハイロウズから社会的メッセージは消え去り、響きを重視した歌詞になってきます。これは「ずーっとロック」を略したズートロという曲。
極端にシンプルな主張になっていく「不死身のエレキマン」や「ミサイルマン」「日曜日よりの使者」などの楽曲が目立つ一方、ブルーハーツ以上に詩的な「夜の背」「迷路」「ななの少し上に」などが混じってくる時期です。
(動画無し)
花火は遠く 絵の具をにじませた
僕の心で 筆を洗ったああ 夜の背に飛び乗って
東よりも東 どこか知らない街へ夜の背/作詞作曲:甲本ヒロト
どこかお洒落なアレンジは、甲本ヒロトの変化を感じます。終わってほしくない夜、来てほしくないその瞬間を想いながら書かれた切ない歌詞です。物語調の歌詞ですが、解釈をリスナーに委ねるようなりました。
美しさとストレートさを持ったザ・ハイロウズは、ヒロトとマーシーがザ・クロマニヨンズを、そしてベースとドラムを担当していた二人が別のバンドを結成し、仲たがいの中で解散していきます。ロックバンドらしい最後でした。
ザ・クロマニヨンズ
そして現在。ザ・クロマニヨンズでは詩的な表現は鳴りを潜め、ストレートなのに難解という不思議な世界を展開しています。
わいタリホー さめタリホー
氷もほっときゃ 流れるぜ引用:タリホー/作詞作曲:甲本ヒロト
歌詞に使われる言葉がものすごく退化していっているような気がします。まさにクロマニヨンズ(=原始人たち)。こういったコンセプトなんでしょうか。
クロマニヨンズには意味のなさそうな擬音や、タイトルの単語を連呼する曲が何十曲もあります。ブルーハーツ時代にもそういう曲は有りましたが、メッセージ性が無くなっているので、とても不思議に感じられます。
ぜひクロマニヨンズの歌詞を見てください。どの曲も極端にシンプルじゃないですか?
コメント
『TRAIN TRAIN+TRAIN』
https://mqube.net/play/20190205910374
まあヒロトにはカリスマ性があると思います。
マーシーはヒロトと別れたら、地元の楽器屋の店員じゃないかなあ。才能は「無い」と思います。
金ヅルヒロトを手放さない根性が嫌らしい。独りでようやっていかんのなら、辞めた方がいいですよ。
いや、マーシ-には「全く才能が無い」と思います。いや、歌は下手だし、ギターは小学生、歌詞も、聖書も読んでいないのにキリストが~、っておかしいですよ。取り柄が無いんですよ。えっ「青空」の詞?あれ、単なる日本国憲法の引用でしょ(笑)
悔しかったらヒロトを一度自由にしてあげて独りでやってみて欲しいですよ。自分の才能の無さを思い知りますから。
いや、マーシーの唯の力は「ヒロトと会えた『強運』」これ一つにつきます。
そうそうそうそうそう、思い出した。
河ちゃんを矛盾だらけの大川に「取られる」程度の、所詮、その程度のヒロトだったのか、という点。
その程度のカリスマなら、そりゃーカリスマじゃないですよ。
大川とか教え、ハチャメチャなんだもの。ヒロトはそれ以下、ってことになっちゃう。
幼稚って言い方はトゲがありますね。
記事の内容的にもシンプルになったで良かったと思いますが。
おぉ。なにげにたどり着いて見たら、コメント欄はクソ以下の吹き溜まりみたいなとこだな。笑
何より楽しんでるんだよ!
楽しいことするのに
一言、二言あれば
それで成り立つみたいな!
そんな
シンプルさだと思うよ!
[…] 偶然、こんな記事「【ブルーハーツ→クロマニヨンズ】加齢とともに歌詞が幼稚になる件」に出会いました。 […]
クロマニヨンズにメッセージ性が無いって記事を結構見るけどそう思わないな。
クロマニヨンズの歌詞に結構奮い立たせてもらったりしてるけどな。
エイトビートは勿論、夜行性ヒトリ、涙の俺一号、チェリーとラバーソウルなどなど。
意味が無さそうな中にある1行だけの言葉だけで充分。
メッセージ性が無いんじゃなくて、よりシンプルになってるので聴く方が感じられてないだけでは?と思う。
クロマニヨンズが1番響くけどなー。
聴く側に意味の解釈を委ねたんだと思うよ。
インタビューとかでも自分たちはボールを投げるだけ
どう捉えるかは聴く人次第って言ってたし、タリホーとか鉄カブト、エイトビート、雷雨決行、生きる辺りはテーマや意味がはっきりしてる。
あとクロマニヨンズの曲は基本的にエモい気がする。
ブルーハーツ の頃の曲も良いけど聴いてる時に感情が揺さぶられるのは断然クロマニヨンズ
やっぱりヒロトが初めてロックに感動した時の感覚を表現したいんだと思うよ。
曲に触れる時は音が最初に感じるものだし、意味は後から知ればいい。触れた瞬間の衝撃を大事にしてるんだと思う。
ブルーハーツでメッセージソングやったら“ダセえやつら”が寄ってきたんで
ハイロウズで方向性模索してクロマニヨンズで現在に至る感じ
ブルーハーツは17歳の時リアルタイムで聴いて最高だったけど
クロマニヨンズのほうが衝動がダイレクトに来て今はこっちが最高
だせぇも何もイカれた感じの演出のステージング(ボーカル)で道徳の時間かよ的な真面目そのものな歌を歌ってるほうがよっぽどだせぇ。自身のダサさを棚に上げてリスナーをどうこう思っていたなら本末転倒にも程がある。