インストバンドとは
インストゥルメンタル・バンド。直訳すると「楽器バンド」すなわち楽器だけで、歌のないバンドである。現代の邦楽インストシーンのジャンルは、ロック・ジャズ・ラテン・ハウス・テクノ・フュージョンなど、多種多様である。踊れる曲やエモーショナルな曲、気分に合わせて聴き分けることもできる。
筆者は気候の良い夜中に、夜風を浴びながらオシャレ系インストを聴くことがエモくて好きだ。自分に浸りながら散歩・ドライブしたい方には是非ともオススメしたい。
ライブ映えするソロ回し
インストバンドは総じてライブが良い。
何が良いかと言うと、インストの曲にはほとんどの場合各楽器のソロがある。そしてソロパートは、ライブごとに雰囲気を変わるのだ。何よりインストバンドは楽器で勝負しているため、技術力がかなり高い。そんな人達のソロ回しなんて聴かせられたら、アドレナリンがドバドバ出て凄いことになる。是非体感していただきたいものだ。
そんな多種多様なインストバンドの中でも、個人的に好きなバンドのトップに君臨しているバンドが「toconoma」である。筆者自身、ブログのライティングは初経験だが、好きなバンドについて熱く語らせていただこうと思う。最後までお付き合いいただけると有難い。
toconomaとは
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西川隆太郎[Key.]石橋光太郎[Gt.]矢向怜[Ba.]清水郁哉[Dr.]の四人で構成されるインストバンド。西川がリーダーを務める。
彼らの作る音楽は四つ打ちのダンスミュージックが多く、KANA-BOONやKEYTALK等の最近のダンスロック出身者にはかなり聴きやすい。筆者自身、そのようなロックを数年聞き続けてからのtoconomaは非常に耳なじみが良かった。
タイトルで「ジャジーでロックなオシャレ系」と言わせていただいたが、これは全く違うジャンルのことを言っているようにも見える。しかし彼らは幅広いジャンルの曲を作っており、どのジャンルの音楽か一言では表せないのである。ちなみに、CDショップでtoconomaを探す場合には、大抵がジャズの部類に属しているのでお探しの際は参考にして頂きたい。
ちなみにメンバー四人全員が、普段は社会人として働きながらバンド活動を続けている。毎週の休日にはかかさずスタジオに入っているという。働きながらこんなにも良い曲を作り続けているのは本当に「すごい」の一言に尽きる。こんなカッコイイおっさんになりたいものだ。。
オススメの曲
それではいくつかオススメの曲を紹介させていただきたい。
orbit
筆者がtoconomaの中で最もカッコいいと称する曲。曲名の時点でカッコよく、出だしで一気に圧倒される。彼らとしては珍しく同期音源を利用した曲である。「orbit」の一番の推しポイントは、スネア(※)に特殊なミュートパッドのようなものを敷くことで、重厚感のあるサウンドにし、曲の雰囲気をまとめ上げているところだ。細部まで「音」にこだわっていて、とても感激する。
relive
「relive」はtoconomaの代表曲である。イントロのギターのカッティングフレーズがとても印象に残る一曲である。この曲のCメロ(2:11~)は、ドラムが4つで刻んでいるにもかかわらず、ベースが3つで刻んでおり、ポリリズム(※)になっている。初めて聴いた時には何が何だかわからなかった。このような高度な曲展開を行うと、インストの曲には非常に映えるように感じる。
ちなみに、原曲だとCメロ終わりにはギターのカッティングが続いているが、ライブに行くと、ここでドラムのソロパートが行われる。ライブならではのアレンジをしている曲はほかにもあるので、ぜひ体感していただきたい。
underwarp
toconoma随一のダンスナンバー。ライブの映像がMVとして使われているわけだが、この映像で非常に印象に残るのが、観客が体を揺らしながらライブを見ているシーンである。これほどまでに人を気持ちよくユラユラさせることのできるバンド・曲はなかなかないのではないかと感じる。
なんといってもベースソロのカッコよさはピカイチだ。ベースがここまでの主役になれるのはやはりインストバンドならではであり、スラップ(※)で1分近い長いソロを弾き、魅了できるのはかなり凄いと感じる。
seesaw
先ほどまでの三曲は比較的ロック調の曲であったが、toconomaはバラード曲も数多く手がけている。「seesaw」はその中でも特にオシャレな曲である。かなりシンプルな構成なので、心を落ち着かせたいときや、集中して作業をしたいときにはうってつけの曲である。
おわりに
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いかがだっただろうか。toconomaの世界を少しでも理解していただき、ぜひともYouTubeにあがっている以外の曲も、CDを購入・レンタルするなどして聴いてみてほしいと思う。筆者自身、一番好きな曲は「N°9」という曲であり、『NEWTOWN』というアルバムの収録曲である。
お気に入りの曲を作ることは、そのバンドを好きになる上で、とても重要なことだ。そしてtoconomaを好きになったところで、ライブに行ってみてほしい。音源を聴くだけでは感じられない彼らの熱いグルーヴを肌で感じられるだろう。
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