自分の傷は自分にしか癒せない
優しい言葉の雨は乾く
他人事の様な虹が架かる
なんか食おうぜ そんで行こうぜ
これほど容易く日は昇る引用:HAPPY/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
優しい言葉なんて結局役に立たないし、まぁぶっちゃけ他人事なんでしょ。ということをスムーズに比喩にしています。もうそんなのいいから生きていこうぜ、そう藤原はスマートに励ましてくれるのです。
命の時間の最小単位って1日ですよね。余命とかでもあと○○日とか言いますからね。だとしたらその基準は何回太陽が昇ったかだと思うんですよ。今日も生きてこれた…そう実感するのは太陽が昇ってきた瞬間なんじゃないかなと。
大人になる
悲しみは消えるというなら
喜びだってそういうものだろう
誰に祈って救われる
それよりも大切な手をとって勝ち負けの基準も解らない
だけど確かに守るものがある
教わらなかった夢と共に
少年は大人になった引用:HAPPY/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
そしてこのサビで、何と戦っているのかもわからなかった自分は、確かなものを見つけます。それは大人になってから新たに見つけた目標です。うわべだけの付き合いじゃない、本当の関係性を持った大切な人を「守る」ということ。少年や少女の頃だったらたどり着けなかったような、大人の目標です。
こうして少年は死ぬことなく、感性を捨てずに、大人になれたのです。
生き続けよう
続きを進む恐怖の途中
続きがくれる勇気にも出会う
無くした後に残された
愛しい空っぽを抱きしめて消えない悲しみがあるなら
生き続ける意味だってあるだろう
どうせいつか終わる旅を
僕と一緒に歌おうHappy birthday
引用:HAPPY/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
そしてラストの2回し。生き続けることについて藤原基央は語り続けます。一緒に生き続けよう、という強いメッセージが込められていますね。
友人にインスパイアされてできた曲
藤原の同世代の友人に起きた出来事にインスパイアされて制作された。
引用:Wikipedia
曲中の少年と少女にはモデルがいるそうですが、このことについて藤原は多くを語りません。ただ「HAPPY」がその2人への彼の想いを綴ったものであることは、明らかになっています。何があったのかは、推して知るべしです。
アルバム情報
収録アルバムは6作目の『COSMONAUT』です。これまでのBUMP OF CHICKENよりもテクニカルな路線のアルバムで、面白い音を聴くことが出来ます。またこれまでのBUMPよりも意味深で、遠回りな比喩が多いのも特徴かもしれません。
おわりに
この曲についての様々な情報を集めるまで、まさかこんなにシリアスな歌だとは思っていませんでした。この前作は「R.I.P./Merry Christmas」であり、次作は「魔法の料理~君から君へ~」です。
R.I.P.はRest in Peace(安らかに眠れ)の略で、欧米では墓石に刻まれますよね。また「魔法の料理」においても曲中で祖父と死別します。この時、藤原基央の身の回りで何が起こったのか、それはわかりません。しかし他の時期よりも死と近い距離で向き合っていたようです。
だからこそ真に迫る歌詞が書けたのではないでしょうか。この3曲が収録された『COSMONAUT』ぜひ聴いてみてください。それでは。
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