邦ロックバンド、ナンバーガールの影響を受けない方が難しい件

ナンバーガールとは、たった4年で邦ロックを変えた伝説のバンドです。彼らはどのようにして、邦ロックに足跡を残したのでしょうか。実は多くの有名バンド・ミュージシャンが、ナンバーガールに影響を受けたことを公言しているのです。
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ASIAN KUNG-FU GENERATION

俺は当時、誰よりもナンバーガールになりたかった。
後藤正文 (ASIAN KUNG-FU GENERATION)

引用:universal-music.co.jp

これはナンバーガール、通称ナンバガのデビュー15周年企画で出されたコメントです。アジカンのゴッチは彼らに憧れていました。初期の楽曲に強い影響が見られます。

モロに影響を受けている曲

ナンバーガールの代表曲「鉄風鋭くなって」です。歌い方を比べてみてください。

このN.G.Sという曲はNUMBER GIRL Syndromeの略で、ナンバーガールを意識して作られた楽曲です。短く切る歌い方や、日本を感じるギターのリフなどナンバーガール的要素を含んでいます。

間奏やイントロで声を入れる

2:17~くらいからの「ハッ」という祭りの掛け声みたいなやつ。これも向井秀徳の発明です。

歌詞の隙間や最初の間奏の入りで「ハッ!」と言っています。ゴッチは「遥か彼方」や「フラッシュバック」のイントロにも近いのを入れてしまっているので、初期はガッツリとナンバーガールの影響を受けていたことが分かります。

ただギターのサウンドの面では、影響が薄いようにも感じます。ギターの音でがっつり影響を受けたのが次のバンド。

Base Ball Bear

ご存知ギターロックバンド・Base Ball Bearは、ナンバガの影響が色濃いバンドの1つです。彼らは打ち込みや同期を一切使わず、バンドサウンドを貫いていることで知られます。

その理由としてVo.小出がインタビューで語っているのが…

小出:そこは最初に憧れた日本のバンドが、NUMBER GIRLだったというのも大きいと思う。肉体的でカッコいい音を出すバンドが好きなんです。そういう意味で、日本のバンドで一番カッコいいと思ったのはNUMBER GIRLだったし、少なくとも僕が聴いてきた音楽は肉体的なものが多かった。

引用:cinra.net

彼らの音楽性の根幹にナンバーガールが出てくるのです。

1stがナンバガのパクリと叩かれる

イントロを聴いておいてください。

ほんとにそっくりなんですよね。しかもテレキャスター(ギターの種類)を使っているんですよ。

ギターヴォーカルがテレキャスターを使ってジャキジャキした硬質な音を出すことが邦ロックでは多いのですが、その元祖が向井秀徳なのです。

Base Ball Bearの小出も彼の音に影響を受けています。

このアルバムはナンバーガールの影響が強かったので、ネット上には心無いコメントが寄せられました。トラウマになった小出はナンバガトークを一時期封印していたのです。

NUMBER GIRLとの密接な関わり

ナンバガ解散直前のライブに、デビュー前にBase Ball Bearのオリジナルメンバー4人で見に行ったそうです。

そしてメジャーデビューした先はなんと解散したナンバーガールと同じ事務所!エンジニアもMVの監督もデザイナーもみんな同じスタッフだったそうです。運命を感じますよね。

Base Ball Bearのほとんどのジャケットとナンバーガールの全てのジャケットは三栖一明という人の作品で、彼は向井秀徳の高校の同級生なのです。

ナンバガのデザインを手掛けるために、福岡から一緒に上京したというのだから驚きで、向井秀徳は自分の半生を振り返る本に、彼の名前を付けています。

少し話が逸れてしまいましたね…Base Ball Bearの話へ戻ります。

透明少女

Base Ball Bearはナンバガのギタリスト田渕ひさ子をゲストとして招き、「透明少女」をカバーしました。憧れのオリジナルメンバーと演奏したのです。しかしこの映像はどこにも残っていません。

この曲は特にリスペクトを集めている曲で、上述のASIAN KUNG-FU GENERATIONもカバーしています。

カバーじゃなくてほぼコピー、しかも完璧です。大好きなんだと思います。

「透明少女」をカバーした有名ミュージシャンがもう一人います。星野源です。

星野源

ラジオで「透明少女」には俺の青春が詰まっている!と語った星野源、2012年には向井秀徳と2人でライブをしました。

そこでカバーした「透明少女」を向井に褒められたことから、ソロのライブでも「透明少女」を演奏するようになり、今では定番曲となっています。

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邦楽の系譜

星野源が影響を最も受けたアーティストは細野晴臣です。そして向井秀徳も細野が所属したはっぴぃえんどに影響を受けて、日本語の歌詞を書いています。邦楽の系譜は連綿と続いているものだということがわかりますね。

「透明少女」の前は自分語り

ライブ映像を見て頂きたいのですが、向井は「透明少女」を演奏する前に女の子の話を必ずします。かっこいいですよね。

星野源がカバーする際には、必ず自分の話をしてから「透明少女」を歌うようにしているそうです。このように彼も、オマージュ的にナンバーガールの要素を取り入れているのです。

ポップの天才星野源だけでなく、独自の音楽性を突き進むあのバンドにも影響を与えていた…!

コメント

  1. 応仁の乱 より:

    復活してしまったなナンバーガール。。。

  2. ぶなしめじ より:

    最近売り出し中のバンド、ネクライトーキーもナンバーガールの影響を強く受けてるバンドです。歌詞の中にも「だけじゃないbaby」の中にもナンバーガールという歌詞が出てくるし、「ぽんぽこ節」のMVは「鉄風鋭くなって」のMVの扇風機をたぬきに変えて作ったと、ギターの朝日さんが言っていました。作詞作曲の朝日さんがナンバーガールのファンらしく、曲にも影響が感じられます。

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